笑顔 ページ13
「ええ？何言ってんのA？」
意外そうに、彼女の隣の生徒が言った。
そうか、あの子はAというのか。
「何って？」
「あの先輩めっちゃイケメンじゃん！彼氏選ぶ時って結構顔大事じゃない？」
「そうそう！顔が良かったらある程度は許されるっていうかー」
周囲の生徒に熱弁されても、Aさんは素知らぬ顔で淡々と言う。
「まあ確かに顔はいいと思うけど・・・顔ばっかり見て中身見てあげないのってなんか違うと思うんだよね。言っちゃ失礼だけどさ、あれで性格最悪だったら絶対やだよ、付き合うの」
俺がずっと考えているばかりで口に出せなかったことを、Aさんはさも当然のように口にした。
「え、じゃあA、イケメンにそんな興味ないの？」
「まあね。私なら彼氏は性格見て決めるかな。だから、顔はあんまり気にしない」
「へえ、そうなんだ」
Aさんと一緒にいた女子生徒たちは、一気に興味をなくしたようにAを抜いて駄弁り始めた。
一人になってしまい苦笑していたAさんが、ふとこちらを向いた。
様子を伺っていた俺と目が合ってしまう。目を逸らすこともできず、俺は固まってしまった。
「・・・」
見られていたことに気づいたのか、こちらを見つめるAさん。
そして、優しい表情でふわりと笑った。
「！！」
今まで見たことのないような、純粋で綺麗な笑顔。こんな顔で笑う子がいたのかと、俺は本当に驚いた。
それと当時に、なんとも言えない温かな何かが俺の心の中を満たす。
そうか、俺、あの子に一目惚れしたんだ。
「あれ？狐弾、聞いてる？」
すぐ側で声が聞こえた。
忘れていた。俺は同級生たちと会話していたんだ。
「ごめん、ちょっと気になることがあってさ。でももう大丈夫」
「ふーん？そっか」
そう答えながらも、俺の気持ちはもう同級生たちに向いてはいなかった。
いつかAさんと話してみたい。
思ったが、俺たちには全く接点がない。あの態度からして、ファンクラブに入るようなこともないだろう。
やっと俺の中身を見てくれようとしている人を見つけたのに、想いを伝えることどころか話すことすらできないのだろうか？
それはなんとしても避けたい。でも俺にはどうすることもできない。
しかし、天がやっと味方してくれたのだろうか？Aさんと話しても違和感がない状況、関係が、約一年後生まれることとなる。
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夕和(プロフ) - sogu508さん» ちょっとそのコメントやめてｗｗｗめっちゃ笑ったｗｗｗｗｗ (2022年11月29日 20時) (
レス) id: 40c359dc38 (このIDを非表示/違反報告)
sogu508(プロフ) - どうも狐弾先輩です。読者の皆さん俺の彼女がお世話になっています。不思議な気持ちですが毎回楽しみです。 (2022年11月29日 20時) (レス) @page15 id: 4549537148 (このIDを非表示/違反報告)
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