あの日 ページ12
─────狐弾蒼Side─────
俺が沢村さんに出会ったのはずっと前。
きっと彼女はもうあんなこと覚えていないだろう。でも俺の脳裏には、はっきりと刻まれているんだ。
俺が２年生、彼女が１年生の二学期だった。
自慢ではないが、俺は両親がそれなりの美形なこともあり見た目に困ったことはなかった。
それに加え周囲に優しく接してみれば、余計に好感を持たれた。
こんなことを誰かに話せば嫌われるかもしれないが、人間は人に好かれてこそだと思う。だから俺は優しくし続けた。
中学生になればファンクラブを作られた。
でも俺は知っている。ファンクラブの会員は皆俺の顔を見て寄ってきただけだということを。
こんなことは言ってはいけないかもしれないが、実際そうなのだ。
申し訳ないけど俺は、顔を見て俺を選ぶ人を好きにはなれない。
色んな女の子たちとお付き合いさせてもらったが、皆同じ理由だったので俺は少し残念だった。
確かに顔も大事かもしれないが、俺は圧倒的に性格を大事にするタイプなのだ。
ちやほやされるのは嫌いではない。でも内側だってちゃんと見てほしい。
それとも、そう思うことはいけないことなのだろうか？無い物ねだりなのだろうか？
沢村さんと出会ったのは、そんな気持ちが心の奥で渦巻いて悶々としていた時期だった。
その日も俺は女子たちと立ち話をしていた。
俺が声をたてて笑うと、バレないようにしているつもりなのか、手だけでお互いをつつきあっているのが見える。
ああ、なんて分かりやすいんだ。
ふと廊下に目をやると、新入生たちがそこでこちらを見ながら話しているのが見えた。
”ほらあの人だよ、完璧って言われてる有名な先輩って。聞いてた以上にイケメン！”
”ファンクラブあるみたいだよね？一緒に入らない？”
口の動きで、言っていることの大筋はわかった。
またか、この子たちも顔でしか俺を見ていない。
そう思って落胆した、その時だった。
「えーでもそんなに顔って大事かなー？」
さっきまで向こうの声はよく聞き取れなかったのに、この声だけははっきりと耳に届いた。
「・・・！」
俺は思わずそちらを見る。
声を発した張本人は、茶髪でポニーテールの少女だった。
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夕和(プロフ) - sogu508さん» ちょっとそのコメントやめてｗｗｗめっちゃ笑ったｗｗｗｗｗ (2022年11月29日 20時) (
レス) id: 40c359dc38 (このIDを非表示/違反報告)
sogu508(プロフ) - どうも狐弾先輩です。読者の皆さん俺の彼女がお世話になっています。不思議な気持ちですが毎回楽しみです。 (2022年11月29日 20時) (レス) @page15 id: 4549537148 (このIDを非表示/違反報告)
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