黒死牟の大親友【鬼滅の刃】

異形のもの ページ7

今私は夜と星の話をしたので、次は異形のものについて話そうと思う。


「それ」は日が落ちた夜にしか目撃情報がない。


身体の一部が本来の人間の保有数を超えていただとか、身体能力が桁違いだとか、どんな傷も立ちどころに治るだとか・・・そんなどれが尾ひれか分からないほど突拍子もないような噂が町を飛び交っている。


でもどの噂にも共通しているのは、鋭い牙を持つことと人間を喰らうこと。


この町では時々人が惨殺されていることがある。


その様子は、死体が引き千切られた状態で落ちているものもあれば、髪の毛など身体の極一部を残して全て消え、血の海が広がっているだけのものもありばらばらだ。


私が聞いた話では、その異形のものが人を喰っているのだそう。


何人か人を喰う異形を見たという人もいるし(本当かどうかは定かでないが)、これは事実だろうということで通っている。


でも、屋根で星を見ている私は異形なんか一度も見たことがない。


だから異形のものの話は嘘だろう。


人が惨殺されていたという話も、きっと夜のうちに獣か何かが襲っただけのことだと思う。


さっきまで普通に歩いていた人間の肉が獣に喰われているところを見たりすれば、ちょっとした見間違いくらいなら誰でもするはずだ。





こんなふうに、私は全く異形の存在を信じていなかった。


でも、この噂は全て真実だと思わざるを得ないことが数日後起こることを、私は知らなかった。














〚江戸時代こそこそ噂話〛

夢主の住む町は小さいわりに旅人が多く訪れる場所でした。
鬼が現れるたび鬼殺隊員がやってきては鬼を狩っていたようですが、江戸時代なのでまだ刀を持つ人も多かったこともあり、誰も鬼殺隊員を警戒していませんでした。

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