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終焉【ちょいグロ表現あり】 ページ49

妓夫太郎さんが血鎌を投げる。


それを避けるため、颯の進む速度が僅かに落ちた。


それを見た堕姫さんが、帯を格子状にして彼の進路を妨げる。


【血鬼術 八重帯斬り】


雷の呼吸は速度重視の技だ。よって、それを妨害されるのは致命傷。


更に、止まらなければ堕姫さんの血鬼術で身体が切断されてしまうだろう。


颯はそれを回避するため、止まらざるを得なかった。


きっとこれがなければ、颯はまた堕姫さんの頚を斬っていたと思う。


素早い身のこなしでなんとか帯を避けきった颯は、明らかに疲弊していた。


普段の彼ならば、ここまで追い詰められることはなかっただろう。しかし、彼は毒を食らっている。全力を出せていないのだ。


颯の身体の軸が僅かにぶれる。


それを、妓夫太郎さんは見逃さなかった。


【血鬼術 円斬旋回・飛び血鎌】


腕を振らずに斬撃を繰り出す技で容赦なく追い詰める。


流石の颯も、これには一歩反応が遅れた。


予備動作も何もなかったのだから、予想できなかったのだろう。


彼の腕の肉が抉れて、血飛沫が舞った。


痛みで彼の体から力が抜ける。


それを狙ったように、妓夫太郎さんの鎌が颯の心臓を貫いたのだった。




先程まで激しい戦いを繰り広げていたことが信じられないと思えるほどに、颯がその命をあっけなく手放した。


ゆっくりと体が落ちてゆく。


その足が再び地面を強く踏みしめることはなく、彼は地面に落ちた。


ずっと屋根で戦っていたので、被害は恐らく最小限にとどまった。


とはいえきっと多くの人間たちが命を落としただろうが。


堕姫さんが伸びをして、颯の側に降り立った。


堕姫「お兄ちゃん。コイツ、アタシが喰っていい?」


妓夫太郎「そうだなぁ、前は俺が喰ったからなぁぁ」


堕姫の言葉に応じる妓夫太郎さん。そういえば、初めて私が彼らに会う前にも、鳴女さんが柱と戦っていると言っていた。


A『堕姫さん』


物陰で戦いを見守っていた私は、そっと堕姫さんに近づき声をかけた。


A『お疲れ様でした。お二人共素敵でした』


堕姫「ありがと。アンタもよくやったわ。アタシが来るまで持ちこたえてたのよね」


そう言って微笑む堕姫さんを見ているうち、無性に千花に会いたくなってくる。


A『私、用ができたので行きますね。またいつか』


話したいことは山程あったが、それはまた次の機会にして、私は先を急いだ。





まさか、あんなことになっているとも知らずに。

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たまき@元夕和(プロフ) - こだぬきさん» そうなんですね!なんだか堕姫ちゃんらしい・・・ (2022年12月29日 16時) (レス) id: d0ef2aa258 (このIDを非表示/違反報告)
こだぬき(プロフ) - たまき@元夕和さん» 一度匂い試してみた事あったんですけど、可愛い様な色っぽい様なそんな感じの匂いでしたよ。 (2022年12月28日 21時) (レス) id: df107beb4b (このIDを非表示/違反報告)
たまき@元夕和(プロフ) - こだぬきさん» はじめまして!いつもありがとうございます。そうですね、人間時代はできませんでしたからね・・・。めっちゃわかりますそれ!! (2022年12月28日 19時) (レス) id: d0ef2aa258 (このIDを非表示/違反報告)
たまき@元夕和(プロフ) - 零さん» わかりました、ありがとうございます! (2022年12月28日 19時) (レス) id: d0ef2aa258 (このIDを非表示/違反報告)
こだぬき(プロフ) - はじめまして!いつも楽しく読ませて頂いてます!私個人としては千花ちゃんも鬼になって姉妹仲良く暮らして欲しいなと思ってます。後堕姫ちゃんといえばイメージ香水あるんですよ〜。 (2022年12月28日 19時) (レス) id: df107beb4b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たまき | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年7月19日 6時

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