黒死牟の大親友【鬼滅の刃】

強者 ページ48

-夢主Side-


颯「お前たち二匹共、今ここで倒す」


毒を受けていても尚、颯は諦めることを知らなかった。


きっと、鬼狩りの中で相当尊敬され、見本となるべき姿だと言われ続けていたのだろう。


毒で身体がやられてきている颯と五体満足の二人。どう考えても、圧倒的に堕姫さんと妓夫太郎さんの方が有利だ。


それでも向かっていこうとする姿勢は褒められるべきだと思う。


シィィィ、とあの嫌な呼吸音。


それを聞いた妓夫太郎さんが、再び技を繰り出した。


【血鬼術 飛び血鎌】


前と同じ技だが、きっとこれが彼の主な技だ。


見ていて気がついたのだが、どうやら血鎌は相手に当たるまでずっと追いかけ続けるらしい。


見たところ比較的体力の消費も少ないようだ。


【雷の呼吸 参の型 聚蚊成雷】


対して颯は、無数の細かい斬撃を飛ばす技で応戦する。


本来は攻撃にのみ使われる技なのだろうが、それをうまく応用して防御にもあてていた。


堕姫さんも帯で戦いに加わるも、その攻撃で帯は粉々になってしまった。


堕姫「ああもう！苛々するわね！」


堕姫さんが叫びながら、修復した帯で八つ当たり気味に颯を攻撃した。


そんな堕姫さんを見て、颯が微かに目を細めた。


【雷の呼吸 壱の型 霹靂一閃】


直後、雷鳴のような音がして颯の身体がその場から消える。


驚いて見回すと、堕姫さんが頚を斬られかけているのが目に入った。


堕姫「なっ・・・」


堕姫さんの口から声が漏れる。


頚を帯のように柔らかくしならせたが、それでも颯の速度には劣るらしい。


びり、と嫌な音。頚が一部破れていた。


それを見た妓夫太郎さんが、血鎌で斬りかかる。


結局颯は堕姫さんの頚を斬ることなく、一時後退した。


息が乱れている。


しかし、毒を食らって尚ここまで動けるとは。これが柱なのか。


強者と強者の戦いを、私は固唾を飲んで見守るしかなかった。


颯が体制を整え、再び息を吸う。


心做しか、彼が纏う空気が先程までと違うような気がした。


【雷の呼吸 壱の型 霹靂一閃・神速】


直後、轟音と共にまた颯がその場から消える。


ああ、


なんて速いんだろう。

終焉【ちょいグロ表現あり】→←猛毒

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