黒死牟の大親友【鬼滅の刃】

雷の呼吸 ページ44

驚愕の表情を浮かべた颯は、それでも余裕げに微笑んだ。


颯「そのような姿になったとて、何の意味があるのやら」


堕姫「どうだか」


挑発しようとする颯に向かって、堕姫さんは勢いよく帯の攻撃を繰り出した。


A(凄い・・・見えない)


雷の呼吸を使う者は脚力において優れている。そう黒死牟さんから聞いたことがある。


どれほど優れているのか見どころだと思っていたら、本当に脚力が強いようだ。


颯は屋根を一蹴りしただけで遠くに飛び、帯の攻撃を避けた。


堕姫「ちょこまかと厄介ね・・・」


チィ、と舌打ちをしながら堕姫さんがひとりごちるのが聞こえた。


確かに、あれだけ避けられれば苛立ちが募るのも無理はない。


颯が体制と整え、刀に手をかけた。


シィィィ、という嫌な呼吸音がする。


【雷の呼吸 肆ノ型 遠雷】


直後、雷が落ちるような轟音と共に斬撃が繰り出された。


堕姫さんと颯の間にはかなり距離があると思っていたのだが、どうやらあの技はこのようなときに有効らしい。


この動きには堕姫さんも意表を突かれたのだろう、避けたものの肩から少し血が出ていた。


しかし、鬼にはこんな傷なんでもない。死ぬこと以外はかすり傷なんて言葉があるが、まさしくそのとおりだ。


瞬く間に傷は治り、堕姫さんがほくそ笑んだ。


堕姫「なかなかいい動きじゃない。殺し甲斐があるわ！」


颯「それはこちらの台詞だ」


言うなり、今度は颯の方から飛び出した。


あの攻撃を皮切りに、随分積極的になったようだ。


【雷の呼吸 陸ノ型 電轟雷轟】


先程とは違う技で堕姫さんを攻撃する颯。今度は斬撃の数がかなり多い。


再び傷をつけられながらも、堕姫さんも反撃に転じた。


しなる美しい帯で、颯の体を打つ。


颯は、玩具か何かのように吹っ飛び、建物に叩きつけられた。


ここからは遠くてよく見えないが、それでも颯が苦しそうに顔を歪めたのが見えた。


しかしそれもほんの束の間。すぐに体制を整えた颯はすぐに堕姫さんに斬りかかった。


流石柱というべきか。


【雷の呼吸 壱の型 霹靂一閃】


かなり飛ばされたにも関わらず、颯は一気に距離を詰めた。


そしてそのまま、頚を狙う。


堕姫さんの頚が、鈍い音をたてながら落ちて転がった。

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