琵琶の鬼 ページ22
無惨「・・・勘違いするな、上弦の知り合いだからというだけだ。何かしでかせば即刻命はない」
A『!!』
随分遠回しな言い方だが、これはつまり認めてもらえたということで相違ないだろう。
A『あ、ありがとうございます!』
無惨「ふん」
礼を言うと、無惨様はそっぽを向き琵琶の音と共に消えていった。
黒死牟さんの話を聞く限りでは無惨様は怖い人だということだったが、上弦と関係のあるなしにかかわらず、私のような下っ端の鬼の優遇をしてくださるなんて、案外優しいのかもしれないと考えてしまう。
ついつい口元が緩んだ。
一息ついて周囲を見回す。さっきまでは無惨様の圧で周りを見ることなどできなかったのだ。
部屋や階段、廊下が変な方向を向いている。人間の世界では落ちてしまいそうだが、何がどうなっているのかそのようなことはないらしい。
再び琵琶の音が響いた。
見ると、無惨様がいた場所の斜め後ろに琵琶を持った鬼が座っていた。
長く美しい黒髪で目を隠した、色白の綺麗な鬼だ。
彼女が突如として口を開く。
「無惨様からの言伝です。”もし女の鬼が望むなら他の上弦と合わせてやってもよい”ということですが、如何致しますか」
A『え?あ、お、お願いします』
黒死牟「だそうだ・・・鳴女、連れてこい・・・」
鳴女「承知しました」
鳴女と呼ばれた琵琶の鬼は頷き、琵琶を奏でだす。
きっと人間時代も相当な奏者だったのだろう、音の一つ一つの響きが良い。
鳴女「・・・上弦の弐様と陸様は後ほどお見えになります」
鳴女さんがそう言った直後、3人の鬼が目の前に現れた。
弐と陸がいないということは、参と肆、そして伍なのだろう。
参は普通の人間の姿をしているが、体に妙な模様がある。肆は老人のような姿で額に大きな瘤を持つ鬼で、伍は・・・壺に入っている。人間時代の原型は皆無だ。一体どのような体の仕組みになっているのだろう?
黒死牟「参は猗窩座・・・肆は半天狗・・・伍は玉壺だ・・・」
黒死牟さんが名前を紹介してくれる。
随分と個性的な面々を前に唖然としていると、彼らが口々に話し出した。
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たまき@元夕和(プロフ) - こだぬきさん» そうなんですね!なんだか堕姫ちゃんらしい・・・ (2022年12月29日 16時) (レス) id: d0ef2aa258 (このIDを非表示/違反報告)
こだぬき(プロフ) - たまき@元夕和さん» 一度匂い試してみた事あったんですけど、可愛い様な色っぽい様なそんな感じの匂いでしたよ。 (2022年12月28日 21時) (レス) id: df107beb4b (このIDを非表示/違反報告)
たまき@元夕和(プロフ) - こだぬきさん» はじめまして!いつもありがとうございます。そうですね、人間時代はできませんでしたからね・・・。めっちゃわかりますそれ!! (2022年12月28日 19時) (レス) id: d0ef2aa258 (このIDを非表示/違反報告)
たまき@元夕和(プロフ) - 零さん» わかりました、ありがとうございます! (2022年12月28日 19時) (レス) id: d0ef2aa258 (このIDを非表示/違反報告)
こだぬき(プロフ) - はじめまして!いつも楽しく読ませて頂いてます!私個人としては千花ちゃんも鬼になって姉妹仲良く暮らして欲しいなと思ってます。後堕姫ちゃんといえばイメージ香水あるんですよ〜。 (2022年12月28日 19時) (レス) id: df107beb4b (このIDを非表示/違反報告)
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