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選択肢 ページ12

私はただ歩き続けた。


変わらず傷口からは朱い液体が流れ出していたが、そんなことは気にならなかった。


腕は全く痛くない。


でも、心がずきずきと痛んでいた。


泣く気にはなれなかったし、泣きたくても涙は出てこないはずだ。それくらい、心が痛かった。


私はあの二人にとって何だったのだろう?


もう両親などではない彼らの血を引く自分が嫌でたまらない。


「A」


ふらふらと行くあてもなく歩く私を、聞き慣れた声が呼び止めた。


A『黒死牟・・・さん・・・』


黒死牟「何があった?お前の地方で地震があったと聞いたから来てみれば・・・その血は何だ」


私が振り返るなり、黒死牟さんが私に質問を浴びせてきた。彼には珍しく口調にゆったりした雰囲気が見られない。


私からすれば普通に喋っているのと同じくらいの速さだが、黒死牟さんにしてみれば相当な早口だろう。


心配そうに私の顔を覗き込む仕草や言葉に、私の心がきゅっとなる。


と同時に、ずっと出てこないと思っていた涙が”鉄砲水”のように溢れてきた。


A『黒死牟さ・・・私・・・私っ・・・うわああああああああああ』


その力に抗えなくて、私は泣き叫ぶ。そのまま今まであったことを全て話した。


涙声になったせいで言葉はうまく聞き取れなかっただろうし、脈絡も消え去っていたはずだ。


そんな説明になっていない説明だったのに、黒死牟さんは我慢強く最後まで私の話を聞いてくれた。


その優しさに、更に涙が零れてしまう。


黒死牟「・・・つまり・・・お前は妹を庇って・・・怪我をしたのに・・・理不尽に罵倒されたわけか・・・」


A『はい・・・そういう、ことです・・・』


しゃくりあげているせいでうまく喋ることができない。


黒死牟「そうか・・・」


そう言ったきり、黒死牟さんは黙り込んでしまった。


ただ、何かを考えている様子だったので、彼の結論が出るまで待つことにする。


黒死牟「お前は・・・もう家に戻るつもりは・・・ないのだな?」


暫く経った後に、黒死牟さんが言った。


A『そのつもりです』


黒死牟「・・・行くあては」


A『ありません』


黒死牟「そうか・・・なら提案なのだが・・・」


そうして黒死牟さんが私に示した案は、衝撃的なものだった。



















A『私が・・・鬼に?』

”あの方”の血→←痛い



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たまき@元夕和(プロフ) - こだぬきさん» そうなんですね!なんだか堕姫ちゃんらしい・・・ (2022年12月29日 16時) (レス) id: d0ef2aa258 (このIDを非表示/違反報告)
こだぬき(プロフ) - たまき@元夕和さん» 一度匂い試してみた事あったんですけど、可愛い様な色っぽい様なそんな感じの匂いでしたよ。 (2022年12月28日 21時) (レス) id: df107beb4b (このIDを非表示/違反報告)
たまき@元夕和(プロフ) - こだぬきさん» はじめまして!いつもありがとうございます。そうですね、人間時代はできませんでしたからね・・・。めっちゃわかりますそれ!! (2022年12月28日 19時) (レス) id: d0ef2aa258 (このIDを非表示/違反報告)
たまき@元夕和(プロフ) - 零さん» わかりました、ありがとうございます! (2022年12月28日 19時) (レス) id: d0ef2aa258 (このIDを非表示/違反報告)
こだぬき(プロフ) - はじめまして!いつも楽しく読ませて頂いてます!私個人としては千花ちゃんも鬼になって姉妹仲良く暮らして欲しいなと思ってます。後堕姫ちゃんといえばイメージ香水あるんですよ〜。 (2022年12月28日 19時) (レス) id: df107beb4b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たまき | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年7月19日 6時

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