いつまでも、共に。【鬼滅の刃】【完結】

もう一度 ページ49

冨岡「なんだ、敏感だな。そんなに転校生のことが気になっていたのか？」


食い気味の私たちを見て、義勇が苦笑する。


煉獄「転校生だと！俺は聞いていないぞ！」


杏寿郎が拗ねたような顔で言うものだから、私は驚いた。


冨岡「煉獄も知っているはずだ。忘れただけではないのか」


煉獄「よもやっ！」


一瞬コントのようなやり取りをした後、義勇はこちらに向き直った。


冨岡「多分もうすぐ来るはずだ。待っているか？」


A『いいの？なら待ちます！』


義勇の言葉に甘えて、私たちは転校生を待つことにした。


善逸「ぐへへ・・・転校生って女の子かなぁ・・・きっと可愛いんだろうな・・・！」


隣で気持ち悪い声が聞こえたのは無視することにしよう。






それから数分が経った。


転校生がやってきた時、私は恋雪と喋っていた。


冨岡「来たな」


義勇の声に、私たちは道の向こうを見る。


そこには男子生徒がいた。


短く刈られた黒髪に白っぽい睫毛、がっしりとした体つき。


私たちは言葉を失った。


きょろきょろと周りを見渡すその生徒の視線が私たちを見て止まる。


その目が大きく見開かれたのを、私は見た。


恋雪「狛治さん・・・？」


恋雪が小さく呼びかけた。


彼の、もとい狛治の目から涙が溢れた。


狛治「恋雪さん・・・Aさん・・・！」


言うなり狛治は走り出した。


恋雪もそれに合わせて小走りで近づく。


そうして、固く、固く抱き合った。











ねえ、狛治。


やっともう一度会えた。


今度は絶対に間違えないでね？


私は離れない二人に覆いかぶさるようにして二人を抱きしめた。


次こそ二人が幸せになるよう、祈りながら。












【「いつまでも、共に。」FIN】

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