いつまでも、共に。【鬼滅の刃】【完結】

斜陽転身 ページ40

炭治郎がついに動いた。


恐らく炭治郎の脳内で何かが結論づいたのだろう。


炭治郎の髪色、痣の色、表情、気配、呼吸音・・・全てがさっきまでとは全く違う。


炭治郎は、義勇の腹部を貫こうとしていた猗窩座の腕を切って止めた。


普通ではほぼ不可能なこと故に猗窩座も炭治郎の危険性を察知したようで、今すぐ殺さなければと思っているのは火を見るよりも明らかだ。


猗窩座「術式展開───終式、青銀乱残光」


猗窩座は即座に技を繰り出した。


一瞬のうちにありえないほどの量の乱れ打ち。きっとこれで片をつけようとしたのだろう。


この攻撃で、義勇は大怪我を負っていた。


最強だと思っていた、攻撃を回避する技らしい”凪”を使っても全ては受けきれなかったらしい。


猗窩座「杏寿郎や炭治郎のように死ぬことはない。お前も鬼になれ、義勇」


猗窩座は義勇を勧誘し始めた。こんなときも勧誘か。



ふとその後ろで影が動いた。



炭治郎だ。


いける・・・いける！！猗窩座は気づいていない。今のうちに首を・・・！


私や恋雪、慶蔵さんは身を乗り出す。


ところが次の瞬間、炭治郎は思いもよらない行動に出た。


炭治郎「猗窩座！！今からお前の頚を切る！！」


A『はあ！？』


彼らしいといえば彼らしいが、馬鹿正直に猗窩座を呼んだ炭治郎。


当然ながら猗窩座は気づき、炭治郎に攻撃を再開した。


A『何やってんの炭治郎・・・あのまま切れば』


私は思わずそう呟いた。


でも、それはどうやら必要なかったようだ。


一瞬の後(のち)に、猗窩座の頚を炭治郎の刀が切断した。













炭治郎「ヒノカミ神楽、斜陽転身」

不意に→←痣の発現

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す