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来たるその日まで ページ25

満足げに頷く鬼舞辻。


しかし、その目に光はなく、ただどす黒い闇が広がるのみである。


少し前までは慶蔵さんを心から慕っていたはずなのに、どうして彼はこんな男に跪いているのだろうか?


いや、当然といえば当然なのかもしれない。


だって彼は、狛治ではなく猗窩座なのだから。


隣で鼻を啜る音が聞こえた。


見ると恋雪は涙を流している。


それはそうだろう、自分の婚約者がこんなことになって泣かない人間がいるわけがない。


恋雪「狛治さん・・・狛治さん・・・」


壊れたように、ただ狛治の名前を呟いていた。


A『どうして・・・』


思わず呟くと、慶蔵さんは腕を組んだ。


慶蔵「推測に過ぎないが・・・あいつは俺たちのことを忘れている。恐らく鬼舞辻無惨と名乗った男のせいで」


A『同感です』


恋雪「狛治さんが戻ってくるには、向こう側の誰かに救ってもらうしかない・・・よね」


A『きっとそうだね。私達じゃ、もう手におえない』


来たるその日まで、私達は彼を見守り続ける。


彼は私達のことを忘れてしまったかもしれない。人の血に塗れ、禁忌を犯し続けるだろう。


それでもいつか戻ってくれることを信じて、私達は天国でも地獄でもないこの白い空間で、ただひたすらに声をかけつづけよう。


A『待ってるから、”狛治”』


私の呟きは白い虚空へ消えていった。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 伯治 , 猗窩座   
作品ジャンル:アニメ
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- 最後の方の夢主が狛治を𠮟るシーンでめちゃくちゃ泣きました…(褒めてます) この時代の時間軸ってあまりみないから面白かったです! すてきな作品をありがとうございました。 (6月27日 1時) (レス) @page49 id: f2f05df21c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - りのくさん» りのくさん!?びっくりした!!wりのくさんも占ツク活動されてるんですね、今から見に行きます!  そんなふうに思ってくださったなんて感激です・・・ありがとうございます!(今後も投稿頑張ろ) (2022年7月13日 15時) (レス) id: a3bd8e7281 (このIDを非表示/違反報告)
りのく(プロフ) - これからも湊さんご自身のペースで、私生活も作品作りも無理なく頑張られてくださいませ。長文、失礼いたしました。(*ᴗˬᴗ)⁾⁾ (2022年7月13日 15時) (レス) id: 6dc8803727 (このIDを非表示/違反報告)
りのく(プロフ) - そして最後、地獄で罪を償い終えて現世に戻ってこれた時には嬉しさでいっぱいになりました!本当に良いお話でした、私も作品を執筆してますが、こんなにきっちりまとまった作品を仕上げられる湊さんを本当に尊敬します……!すっごく良かったです! (2022年7月13日 15時) (レス) id: 6dc8803727 (このIDを非表示/違反報告)
りのく(プロフ) - 狛治さんの悲惨な運命と、しでかしてしまう所業の数々がつらくて切なくて、結末を知っててもどうなるかハラハラが止まりませんでした。苦しい戦いのさなか、炭治郎も恋雪さんも夢主ちゃんも、本当に頑張ってくれました……! (2022年7月13日 15時) (レス) id: 6dc8803727 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年12月16日 12時

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