優しさに惚れました ページ13
恋雪「え?えっ?Aさん大丈夫?」
むせた私を恋雪が心配してくれた。
A『ゲホッ・・・うん、大丈夫。・・・で?狛治のことが好きって、どういう意味?』
恋雪「・・・そういう意味・・・です」
A『なるほど』
顔を赤らめて俯く様は、まさに年頃の女の子だ。
A『じゃあ、取り敢えず詳しく聞かせて』
恋雪「うん」
時折恥ずかしそうにしながら、恋雪は話しだした。
恋雪「最初は感謝してるだけだったの。いつも一生懸命私のお世話をしてくれて、本当は狛治さんだって忙しいはずなのに。でもお礼を言うたびに、『やりたくてやってることだから』とか『恋雪さんはゆっくりしていればいい』とか・・・本当に優しい人だなって思って、それで・・・その、狛治さんの優しさに・・・惚れました・・・」
A(案外単純な理由ね)
私が見る限り、恋雪の想いは本物だ。
それを確認してから、私はうんうんと頷く。
A『確かに狛治は恋雪のこと、すごく気にかけてたものね。あんなことされちゃあ、女は誰だって惚れるよ』
なんとなく口にしただけだったのに、恋雪は過敏に反応した。
恋雪「あの、それ、どういう意味?他にも狛治さんのことを好いてる人がいるの?それともまさかAさんが・・・」
A『ごめんごめん、そういう意味じゃない!今のところあいつは私や恋雪としか親しくしてない。私も、狛治は友人として好きなだけだから』
恋雪「本当に?」
A『ほんと。私のこと信じなさい』
恋雪「よかった」
会話が終わってしまった。
また無言になるのを恐れたのか、恋雪は慌てたように口を開いた。
恋雪「私・・・私、どうしたらいいの?」
A『何が?』
恋雪「私、狛治さんのこと、本当に好きなの。だからこそ、この気持ちを処理しきれない・・・もし想いを伝えて断られたら?その後ぎくしゃくするのは辛い。だからといって、伝えなければ狛治さんは他の人と一緒になる。私怖いの、Aさん。怖い・・・」
殆ど息継ぎをせずに喋り切った後、恋雪は激しく咳き込んだ。
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あ - 最後の方の夢主が狛治を𠮟るシーンでめちゃくちゃ泣きました…(褒めてます) この時代の時間軸ってあまりみないから面白かったです! すてきな作品をありがとうございました。 (6月27日 1時) (レス) @page49 id: f2f05df21c (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - りのくさん» りのくさん!?びっくりした!!wりのくさんも占ツク活動されてるんですね、今から見に行きます! そんなふうに思ってくださったなんて感激です・・・ありがとうございます!(今後も投稿頑張ろ) (2022年7月13日 15時) (レス) id: a3bd8e7281 (このIDを非表示/違反報告)
りのく(プロフ) - これからも湊さんご自身のペースで、私生活も作品作りも無理なく頑張られてくださいませ。長文、失礼いたしました。(*ᴗˬᴗ)⁾⁾ (2022年7月13日 15時) (レス) id: 6dc8803727 (このIDを非表示/違反報告)
りのく(プロフ) - そして最後、地獄で罪を償い終えて現世に戻ってこれた時には嬉しさでいっぱいになりました!本当に良いお話でした、私も作品を執筆してますが、こんなにきっちりまとまった作品を仕上げられる湊さんを本当に尊敬します……!すっごく良かったです! (2022年7月13日 15時) (レス) id: 6dc8803727 (このIDを非表示/違反報告)
りのく(プロフ) - 狛治さんの悲惨な運命と、しでかしてしまう所業の数々がつらくて切なくて、結末を知っててもどうなるかハラハラが止まりませんでした。苦しい戦いのさなか、炭治郎も恋雪さんも夢主ちゃんも、本当に頑張ってくれました……! (2022年7月13日 15時) (レス) id: 6dc8803727 (このIDを非表示/違反報告)
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