彼女の正体が何であれ【鬼滅の刃】【遊郭編】

協力 ページ35

屋根には派手な人の他に二人いた。


女性の格好をした赤髪の男性と、その隣の少女のように綺麗な顔をした、同じく男性だ。


A『あの、申し訳ないんですが皆さんのお名前を聞いても・・・』


「確かにそうだな。俺は竈門炭治郎だ、よろしくな！」


「嘴平伊之助様だ！覚えておきやがれェ！」


「俺は音柱、宇髄天元様だ」


随分と個性的な面々だ。


A『Aといいます・・・善逸くんの友人です』


私も自己紹介し、知っていることを全て話した。


天元「蕨姫・・・吉原(ここ)で一番美しいと言われている花魁だな。ただ、噂ではかなり当たりが強いとか」


A『仰る通りです。私は蕨姫花魁のこと大好きなんですが・・・』


そう言うと天元さんは少し驚いたような顔をしたが、何も言わなかった。


伊之助「だったらそのわらび餅とかいうやつのとこにさっさと行って、さっさと頚切ってくりゃいいんじゃねぇの？」


炭治郎「わらび餅って誰だよ、蕨姫だ！それに、そういうわけにはいかない・・・そんなことしたら、遊郭の人たちの安全を保証できない」


伊之助さん・・・なんでそんな名前の間違い方するかな？それに比べて炭治郎さんはまともなようで安心した。


二人の会話が終わったことを確かめた天元さんは、悔しげに口を開いた。


天元「・・・Aさんの情報から推測するに、恐らく戦いは今日か明日になる。だからお前らはもう花街(ここ)から出ろ、階級が低すぎる。蕨姫が上弦だった場合対処できない。消息を断った者は死んだと見做す・・・後は俺一人で動く」


天元さんの決意は固かった。


炭治郎「いいえ宇髄さん、俺たちは・・・」


天元「恥じるな、生きてる奴が勝ちなんだ。機会を見誤るんじゃない」


正論だ。


だけど、これで炭治郎さんたちが引くはずがない。





宇髄さんが消えた後、「階級」について騒いでいた炭治郎さんと伊之助さんがこちらを見た。


炭治郎「Aさん、情報提供ありがとう。・・・伊之助。俺は宇髄さんの奥さんも善逸も生きてると思う。そのつもりで行動する。必ず助け出す。伊之助にもそのつもりで行動してほしい。そして絶対に死なないでほしい。それでいいか？Aさんも、できるなら協力してほしい」


伊之助「・・・お前が言ったことは全部な、今俺が言おうとしてたことだぜ！！」


A『勿論、協力するよ。善逸くんのために、遊郭の皆のために』


さあ、長い長い戦いの始まりだ。

誓い→←派手派手

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す