検索窓
今日:4 hit、昨日:23 hit、合計:12,283 hit

水の呼吸 ページ23

ヒュウウウウ、と音がする。


風の音か?


いや、違う。


これは、鬼狩りの呼吸音だ。


今まで何度か聞いた音だが、何度聞いても慣れない。


この音は、不快だ。


苛立ちが募り、眉をひそめる。


しかし常に冷静でなければ戦いに勝つことはできない。私は深呼吸をし、自分を落ち着かせた。


私がやるべきことはただ一つ。千花を信じることだけだ。


【水の呼吸 参の型 流流舞い】


鬼狩りが私に向かって強く踏み出す。


どう動くか予測が極めて難しい技。初めて見たのだが、敵ながら綺麗だと思った。


間髪を入れず、私も血鬼術で応戦する。


【血鬼術 蔓枷】


鬼になってから最初に使ったこの血鬼術は、拘束のためのものだ。


糸が細すぎると、強度は落ちるが相手の身体を切断することもあった。


しかし今回はその必要はない。


相手の動きを一瞬でも封じ込められればそれでいいのだから、多少太くてもいいだろう。


第一、細い糸を作るには神経を使うのだ。


不必要な労力をこんな場面で使うことはない。


よくしなる私の糸は、多少相手の攻撃の進行方向がわからなくても、勝手にうまく適応してくれる。


これが雷の呼吸だったりしたら、その速度に追いつくことはできないかもしれない。


しかし、水の呼吸のこの技ならばなんとかなりそうだ。


案の定、鬼狩りの進む速度が落ちた。


当然だ。糸にうっかり当たってしまえば、どうなるかわからないのだから。


実際は当たっても大した怪我はしないのだが、彼はそのことを知らない。よって、避けるしかなかった。


しかし、鬼狩りは技を止めない。


避けつつ技を出し続けるのは難しいはずなのに、と思わず感心してしまった。


千花は最初の場所から動けていない。


無闇に鬼狩りに接近しようとしても、私の糸の邪魔になる可能性があると判断したのだろう。


このような場合どう動くかも決めておくべきだったがもう遅い。


ここは以心伝心で動くしかなかった。


と、鬼狩りが私の糸から抜けた。


しまった、と鬼狩りを追いかける。


考えを巡らせていたことがあだとなった。


どうやら、それは千花も同じようだった。


この後どのように攻めるかを考えていたため、反応が遅れたのだと思う。


鬼狩りが追ってきた私の糸を刀で弾き、その勢いのまま大きく跳躍した。


遥か上で、刀がぎらりと鈍い光を放つ。


落下する速度をそのままに、鬼狩りが千花へと切り込んだ。


【水の呼吸 捌の型 滝壺】

怪我の治癒→←本気



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (52 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
114人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 黒死牟 , 鬼化
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

緋月 - たまきさん» うまかった!(^^) (2023年2月21日 13時) (レス) id: eec4e6d19c (このIDを非表示/違反報告)
たまき(プロフ) - 緋月さん» あねwwならよかった (2023年2月21日 12時) (レス) id: 10bfc6b38c (このIDを非表示/違反報告)
緋月 - たまきさん» まぁ、2つ食べれたからよかったんだけどねw (2023年2月21日 8時) (レス) id: eec4e6d19c (このIDを非表示/違反報告)
たまき(プロフ) - 緋月さん» 忘れるな!?当日に忘れるな!!w (2023年2月21日 7時) (レス) id: 10bfc6b38c (このIDを非表示/違反報告)
緋月 - たまきさん» ありがとう!🐜ケーキは今朝食べた。昨日は忘れてたらしい (2023年2月20日 15時) (レス) id: eec4e6d19c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:たまき | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年12月31日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。