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瞳の光 ページ8

千花「・・・姉ちゃん」


しばしの沈黙の後、千花が静かに言った。


千花「正直言うと、鬼になりたいとは思わなかった」


淡々とした物言いに、余計居心地が悪くなる。


A『だよね・・・』


ごめん、とまた頭を下げようとする私を止めるように、でもねと千花が言葉を続ける。


千花「でもね。・・・もし私が鬼に襲われていなかったとしても、人間はいつか死んじゃうんだよ。鬼は半永久的に生きられる。だけど人はそうはいかない」


そこでようやく千花が私の目を見た。


色は違えど私とよく似た、桃色の瞳が私を映し出していた。


千花「だから、遅かれ早かれ姉ちゃんは一人になってた。私、姉ちゃんを一人にはしたくなかったよ。鬼の友達はいても、血の繋がりの絆とは強さが全然違うでしょ?」


その目は、人間時代と打って変わった猫のような瞳孔をもっていた。


それでも目がたたえる光や表情は間違いなく千花のもので、そこで私はやっと気がついた。


私は、千花が変わってしまうことが怖かったのだ。


鬼にしてしまったことを責められるのももちろん辛い。


でも、あの腐った両親たちもが愛した彼女の優しさや心の綺麗さが、鬼になったことで失われはしないか。それが、何よりも怖かった。


だがどうだ、それは少しも失われたりはしていない。


姿は違えど、目の前の鬼は人間時代と寸分違わぬ千花だった。


その事実に安堵したと同時に、自分の体から力が抜けてゆく。


A『千花』


私はそっと呼びかける。


A『今度こそ、守るからね。鬼になったばかりのあんたは、まだ私より弱い。大丈夫、姉ちゃんが絶対に守る』


千花「姉ちゃん・・・」


A『あんたの両親を殺した責任も、鬼にした責任も、私が持って守り切る。・・・生きててくれて、千花のままでいてくれてありがとう・・・』


涙が溢れてきた。


鬼になってから、私は随分弱くなった。


昔は、これくらいのことでは泣かなかったはずなのに。


でも、今の自分は嫌いじゃない。







〚No Side〛


童磨がすっと目を細めた。


目の前で涙を流し感激している信者の目に、その仕草は入らない。


本当に人間は憐れだ。


なんの感情もこもらない目で、童磨は信者に向かって微笑んだ。


あの子の妹、起きたみたいだね。確執もないようだ。


青い目の鬼の少女がなぜ妹に心を砕くのか、彼にはよくわからない。


でも、不思議と彼女らが惨めだとは思わなかった。


〚No Side 終わり〛

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緋月 - たまきさん» うまかった!(^^) (2023年2月21日 13時) (レス) id: eec4e6d19c (このIDを非表示/違反報告)
たまき(プロフ) - 緋月さん» あねwwならよかった (2023年2月21日 12時) (レス) id: 10bfc6b38c (このIDを非表示/違反報告)
緋月 - たまきさん» まぁ、2つ食べれたからよかったんだけどねw (2023年2月21日 8時) (レス) id: eec4e6d19c (このIDを非表示/違反報告)
たまき(プロフ) - 緋月さん» 忘れるな!?当日に忘れるな!!w (2023年2月21日 7時) (レス) id: 10bfc6b38c (このIDを非表示/違反報告)
緋月 - たまきさん» ありがとう!🐜ケーキは今朝食べた。昨日は忘れてたらしい (2023年2月20日 15時) (レス) id: eec4e6d19c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たまき | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年12月31日 18時

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