諸行無常【オリジナル】

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天舞の説明の仕方に台パンしたくなるのを必死に耐えながら、


天舞に対する怒りを力に剣を振り続け…。


私が汗だくになった頃、


気が付けば、辺りが暗くなってきていた。


「あ、もうこんな時間かよ。どこぞの誰かさんのせいで俺のたーいせつな時間が奪われちまったなー。」


天舞はそんなことを言いながらぶらぶらとどこかへ歩いて行ってしまう。


クソ…湊都君が説明上手でさえあればわざわざあんなのに教わる必要なんてなかったのに…！


そんなことを考え、すぐにかき消すように頭を振った。


別に湊都君が悪いわけじゃない…悪いのは腹立つ天舞だから…。


「俺達も行こう。」


湊都君が息を切らしながら倒れている私の顔を覗き込みながらそう言った。


こうして見ると湊都君って綺麗な顔してるなぁ…なんて場違いなことを思いながら


うん、と言って立ち上がった。


湊都君に案内されるままに歩くと、鈴凪さんとひなたちゃんが可愛いエプロンを身に着け、


料理を作る準備をしていた。


「あ、Aちゃん！今日は女子たちでご飯作るんだよ！Aちゃんも手伝って！」


ひなたちゃんは子供特有の太陽みたいな可愛い笑顔でそう言った。


「そうね、Aちゃんにも手伝ってもらおうかしら。でもAちゃんはその前にお風呂ね！」


鈴凪さんはひなたちゃんとは対照的に、お姉さんって感じの大人っぽい微笑みを浮かべる。


「あ…。」


自分の姿を見てみれば、泥と汗でぐちゃぐちゃに汚れていた。


「きったねー…。」


天舞のその小さな呟きに、バッと天舞の方を振り返ってみれば、


天舞はべーっと舌を出してこちらを煽ってくる。


ガキか…あれで私より年上とか未だに信じられない。


そんな私達の様子を見て鈴凪さんはクスクスと笑っている。


何が面白いのか全くわかんない。


「Aちゃん！お風呂こっちだよー！」


ひなたちゃんの呼ぶ声に天舞を睨めつけながらも渋々とお風呂場へ向かう。


「着替えはあたしたちが用意しておくから、服はここに置いておいてね！あとで洗うから！」


ひなたちゃんはそう言うと、お風呂場を出て行った。


…ゲームの世界にもお風呂入った後別の服に着替えるとかいう概念あるんだ…。


まずはそこに驚いた。


だって、ゲームではいっつも同じ服だったし…。


あ、もしかして全く同じ服を何着も持ってるとか、そういうパターン？


そんなことを考えながら、暖かい湯舟にちゃぽんと浸かった。

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