みたらし団子 ページ5
彼がいると思われるあばら家に行くと、驚いたことに鋼鐵塚さんの姿はなかった。
驚いて周囲を見回す。
どこへ行ったのだろう?誰か殺られてないといいが・・・(物騒)
しかし、探す手間は省けた。
近くの雑木林で、鋼鐵塚さんの奇声が聞こえたのだ。
蛍「殺す・・・殺してやるあの餓鬼ィィィ!!!」
A(ああこりゃまた派手にやってるなぁ・・・)
声が聞こえた方へ向かおうとすると、そちらから小ぶりの木が一本飛んできた。
なんとか避けると、木らしからぬ音を立てながらそれは地面にめり込む。
運が悪ければ頭に当たっていたその木を私は横目で見た。
斧などで伐られたものではなく、なんというか根っこから力づくで引き抜かれたような感じだ。
・・・これ多分木に当たってるな
木が可哀想に思えてくる。
A『ちょっと鋼鐵塚さん!』
私が声を張り上げると、さっきまで聞こえていた奇声が止んだ。
次いで、林の奥からゆっくりと彼が姿を表す。
見ると手の皮を擦りむいている。やはり木は自分で引っこ抜いたものだったようだ。
A『鋼鐵塚さん、危ないですよ木を投げちゃ。危うく当たるところでした』
なだめるように言うと、鋼鐵塚さんは私から目を逸らした。
機嫌は変わらず悪そうだが、少しは落ち着いただろうか?
A『里長が鋼鐵塚さんにって、みたらし団子をくださいましたよ。お好きなお店のものだったと思うのですが』
そう言った途端、鋼鐵塚さんの表情が変わった。
と言ってもひょっとこのお面で顔が隠れているので実際に見ることはできないが、彼が纏う空気が変化したと感じたのだ。
団子とお茶を手渡すと、先程まで激昂していたのが嘘のようにみたらし団子を頬張り始める鋼鐵塚さん。
A(一生みたらし団子食べててよほんと)
ふとそう思ってしまう。
しかし、現実的に考えるとそういうわけにはいかない。
食べさせておけば無限に食べるだろうから、胃袋の問題は考慮せずともよい。
しかし、彼は刀鍛冶としての腕は確かなのだ。
そんな鋼鐵塚さんの才能を潰してしまうのはあまりに勿体ない。
逐一みたらし団子を渡して機嫌を取るしか、今の私達にできることはなかった。
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たまき(プロフ) - 緋月さん» おおお!私がそっちのこみゅいくわ (2023年2月22日 9時) (レス) id: 10bfc6b38c (このIDを非表示/違反報告)
緋月(プロフ) - たまきさん» ログインしたで。こみゅってどうやるの? (2023年2月22日 7時) (レス) id: eec4e6d19c (このIDを非表示/違反報告)
たまき(プロフ) - wwありがとwここから飛んでみたら詳しく書いてある!▷▷ https://uranai.nosv.org/u.php/hp/aisu0821/ (2023年2月21日 15時) (レス) id: 10bfc6b38c (このIDを非表示/違反報告)
緋月 - たまきさん» うへへぇーん(泣)たまきが優しいー。ログインってどうやるの? (2023年2月21日 14時) (レス) id: eec4e6d19c (このIDを非表示/違反報告)
たまき(プロフ) - 緋月さん» ww大丈夫だよwwひづきがログインしたらこみゅとかで話せるんだけどねえ・・・ (2023年2月21日 13時) (レス) id: 10bfc6b38c (このIDを非表示/違反報告)
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