【APH】オーダーメイド【短編集】

8冊目　サシャさんより（西） ページ8

国民は一定の歳になると、
国のために兵士にならないといけない。
そんな制度のため私は女ながら兵役についた。
元凶は祖国のアントーニョ様である。
生まれたこの国が好きだ。
この国と共に運命を共にしたい。
私は、アントーニョ様をみて一目で恋に落ちた。


「Aは小食やんなぁ」


「そういうアントーニョ様は
トマトしか食べてないですよね。ダイエット中ですか」


「"様"やない、アントーニョや」


気にかけてくれるたび、私の心は揺れ動く。
敵国と戦う時は何時でも祖国を守れるように、
片時も離れなかった。
私は背中を守るような形だが。


それでも信頼してくれているようで、
言葉にして「背中を頼む」といわれた時は、
感動で涙が溢れたくらいだ。
守れるだけで幸せだった。
ずっと背中を守らせてもらいたかった。
でも男みたいな私は、
女として祖国に扱ってもらう事は出来ないでいた。


「それだけじゃないぜ、
アントーニョ様はロマーナに
骨抜きだって話だ、告白もしたらしい」


「付き合ってるのか？ロマーナってやつと祖国は」


「さぁな、でも愛人扱いなのには変わりねぇ」


知らなかった。祖国に大切な人がいたなんて。
もう、祖国の隣に立つことが出来ないなんて。
隣にはもう私以外の人がいるなんて。
隣は私の居場所じゃないなんて。


「A、背中は頼むで」


脳内ではいつもの様にアントーニョ様が微笑んでくれる。
それでも、私…。
隣が私の居場所じゃないなら…。


「背中だけは…貴方の後ろは私のものです」


私は貴方の隣に立てない。けど、
せめて後ろだけでも、守らせて下さい。
―――
人魚を怒らせると、海は嵐になる。


「どしたん？A。
最近は嵐にしてばっかりやん」


「お前が私の所にこなきゃ、
嵐にはならないと思う」


私が言うのもなんだが…。
最近私がイライラして嵐を起こしている元凶は、
最近この辺を縄張りにした海賊船長アントーニョ。


「帰れ」


「嫌や」


「帰れ」


「キスして」


「嫌だ」


こいつのいいところを聞かれても、
「ポジティブ」としか答えようがないが、
捕らわれそうになったところを助けてくれた優しさは、


「好きだったり…」


「何が？」


「何でもない」


「教えてや」


「殴るぞ」


まぁ、今日の海は晴れだったり。
―――
二つ分のリクをまとめました…。
文字数がヤバいことになったので、
あらすじが変わらない程度に少し変えました！
サシャちゃん本当にありがとう！！

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