【APH】オーダーメイド【短編集】

6冊目　花子さんより（仏） ページ6

故郷のフランスを離れて、
初めての日本旅行。
何年も前から調べて、地図も全て頭に叩き込んだ。
やっと日本にこられたんだ、
これから沢山日本を満喫するつもり。
安全面ではどこの国にも引けを取らない日本。
だからトラブルは別にないだろうと思っていた。


「Hello〜！」


金色の髪、長髪。
英語慣れしていないせいか、
どこか訛りがあるこの男。


「君、どこの国からきたの？」


この男も見るからして私と同じく外国人だが、
日本に来てまで私みたいな外国人をナンパか。
そこは日本人をナンパしろよ。
軽く突っ込んだはいいか、こういう輩は
無視するのが一番だ。


"Pointilleux."


こういうのは相手と違う言語を話して
自分は英語圏じゃない事を理由にさっさと逃げよう。
と、思っていたのだが。


「うるさい、だなんて酷いなぁ」


なぜ分かった。
この人もフランス人か？


"Tu es mignonne"


可愛い、だなんて、ナンパには持って来いの
落とし台詞。そんなくさい台詞、今更だ。


"Merci."


適当にあしらった。が、
しかしこの男、打たれ強い。
数時間も私の後をついて来やがった。
しかも行く先々で、知らべても出でこない様な
細かいことの説明付きで。
「俺が好きでしてるだけだから、気にしないで」
なんて優しい台詞付きで。しょうがない。


「案内、頼めますか」


嬉しそうに笑う男。何がそんなに嬉しいんだか。
曰く名前はフランシス。


フランシス、中々侮れない。
回る先々ではインターネットで出てこなかったような
お店を回った。
こんな風に好奇心をそそられたのはいつ以来だろう。
日本に知り合い出もいるんだろうな、きっと。


今日だけだといったのに、
結局は最終日まで付き合わせてしまった。
空港までついてきたフランシスさんは、笑いながら、


「またフランスで会えるといいね」


「そうね、また会いたいわ」


「その時はフランスの俺とっておきのバーで
カクテルを御馳走するよ」


「……なぜそんなに優しくするんです？」


「Aちゃんが随分昔の知り合いに似てるから、かな
つい懐かしくなっちゃって」


「はぁ…、成程……？」


「また会った時は俺のお気に入りのバーで
アイオープナーってカクテル、御馳走させてよ。
Aちゃんに似合うと思うんだ」


「…はい、ぜび」
――――
花子さんリクエスト！
お兄さん割と好きなキャラだったりするｗ
因みにアイオープナーのカクテル言葉は、
【運命の出会い】

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