【APH】オーダーメイド【短編集】

24冊目　カオリさんより（英） ページ24

「アーサー」


「なんだ」


怪し気な瓶を持つ私。
さっき出来上がったばかりの、
新作の魔法。
自信作だ。


「なんだそれ」


赤い、怪し気な光を放つ、その液体。
魔法を研究してきた私でも、
ここまでの赤い液体は見たことが無い。
黒光りしている、
といった方が確かなのかもしれない。


「惚れ薬！！」


ﾄﾞﾔｧ…と、効果音が付きそうなくらい、
自信一杯の顔。
自分の顔だ、見なくても分かる。


「…そんなもん作ってどうするつもりだよ」


あきれたような顔。
わけのわからない箱を紐で縛っていたアーサーは、
私を見上げ、また手を動かし始めた。


黒いマントがまた、揺らいだ。


黒いマントは学校から認められた、
上級魔法使いの証。


アーサーを認めさせれことが出来れば、
私も一人前になれる。


「ほら！飲んで！！」


「ちょっとまて、なんで俺が飲まなきゃいけないんだ、
その辺の動物でいいだろ」


「これ、新作でまだ効果が分かってないんだ、
飲んだ感じとか聞きたいし…」


「…そうだとしても、なんで俺なんだ。
借りに飲んだとしても、効果がどのくらいだとか、
継続時間がどのくらいだとか、まだわかんねんだろ？」


「だからアーサーに頼んでるんだよ、
下校時間だから、他に人いなかったし、
上級魔法使いが他にいないし…」


「わかった…、って言いたい所だが…」


「飲んでくれないの？
なにかこの後用事あるとか？
効果は２分後に、初めに見た人物に惚れる感じだけど、
切れる時間が分からないからなぁ…」


「いや、Aが作ったものだから、
多分大丈夫だけど…、
多分、俺には効果が出ない…、と思う」


「なんで？無効化魔法かけてるとか？」


無効魔法をかけてるなら、
今、どんな魔法をかけても無効化される。
因みに、無効化も上級魔法使いのみ、許されてる技。


「いや…、そういうのじゃなくて…。
それ、惚れ薬だっつたな」


「だよ」


「惚れ薬って、飲んだ相手を、自分に、
半強制的に惚れさせる薬だろ？」


「…そうだけど？」


「なら俺には無効だ」


「は…？どういうこと？」


すると突然立ち上がったアーサーさんは、
私の手首をつかみ、壁に押し付けた。
身動きできないんだけど…。


「こういう事だ、ちょっとは察しろ」


小さなリップ音をたてた。
―――
カオリさんより
おまたせしました！
最終、アーサーは既に夢主に惚れてるから
効果はないよ、的な感じでまとめました！

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