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13冊目 リンさんより(普) ページ13

2階、私の部屋のベランダ。
ここは唯一私がギルベルトと逢引き出来る場所。
外に出してもらえない私が、
唯一家族以外の他人と話せる、癒しの場所。


御家同士の仲が悪い私達。
それでもギルベルトは
毎日こうやって家を抜け出して、
私に会いに来てくれる。
木をよじ登り、ベランダで、
今日も座り込んで話をする。


「好きだぜ、A」


「え……なにそれ」


「気が付かなかったか?
何のために俺が毎日通ってると思ってるんだ。
…まぁお前が気付かないとは、
俺様の演技が超一流って事だな」


ケセセセ…、といつもの様に笑ったものの、
その横顔は悲しそうだった。


「…こうやって告白しても、
Aと一緒になれるわけじゃないよな…」


「ギルベルト…」


私達がたとえどんなに仲が良くても、
その恋が成就するわけもない。
結婚も勿論許してもらえるわけもなく…。


「今日はもう帰る」


「もう行っちゃうの?」


「寂しそうな顔すんなよ…」


こつん…、とお互いの額を合わせ、
指を絡ませる。
別れ際に何時もする、約束。


『また、貴方と会えますように…』


ギルベルトは何も言わずに帰っていった。
その背中をいつまでも見ていた。
好きだと言ってくれたから大丈夫、きっと明日も。


そう、信じていたのに。


「あの家のバカ息子が結婚したらしい。
まぁ、おかげで家との争いはなくなるし、
よかったじゃないか。なぁ、A」


何それ。
親からそう聞かされた時は、
ショックで倒れそうだった。


「A様、御届け物が…」


メイドの女性が割って入った。


「誰から?」


「分かりません。
外に、A様宛のこれだけが」


ギルベルトだ。
直感でそう思った。小さな花束。


「………なによ…花なんか渡されたって
許してあげないんだから…」


可愛らしい、小さい紫の花。


「確か名前は…ミヤコワスレだったと思います」


メイドはそれだけいうと下がってしまった。


どうせこうなるなら、
なんであの時告白したの?
バカじゃないの…。


「バカ…ぁ…っ」

【Versprechen erf�・llt ist,
bis zu diesem Tag.】

(約束が果たされるその日まで)
――――
リンさんリクエスト
ギルちゃんって悲恋似合うよね!!
もっと書きたかった…!
こういうのめっちゃ好き!
ミヤコワスレの花言葉は、
【また会う日まで、しばしの別れ】

14冊目 リリアスさんより(南伊VS西)→←12冊目 リリ*中領さんより(連合)



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設定タグ:カレハ , ヘタリア , オーダーメイド   
作品ジャンル:アニメ
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幸せすギルあっちゅん(プロフ) - カレハさん» 珍しいか?(笑)マジかwwwいいぜ!裏切ってみろよ(笑) (2015年10月29日 0時) (携帯から) (レス) id: 9a65b8c3df (このIDを非表示/違反報告)
カレハ(プロフ) - 幸せすギルあっちゅんさん» あっちゅんから方言が出た!!珍しぃ...。まぁ、今書いてる方の小説でも裏切らせてもらう!! (2015年10月28日 23時) (レス) id: 3f03be5c9e (このIDを非表示/違反報告)
幸せすギルあっちゅん(プロフ) - カレハさん» よぅわからんばい(笑) (2015年10月28日 23時) (携帯から) (レス) id: 9a65b8c3df (このIDを非表示/違反報告)
カレハ(プロフ) - 幸せすギルあっちゅんさん» なんか楽しいじゃん!この…裏切られた感がたまらねぇ…!! (2015年10月28日 23時) (レス) id: 3f03be5c9e (このIDを非表示/違反報告)
幸せすギルあっちゅん(プロフ) - カレハさん» ドSかよwwwww (2015年10月28日 18時) (携帯から) (レス) id: 9a65b8c3df (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カレハ | 作成日時:2015年7月25日 23時

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