【佐久間次郎】手の届かない君はカトレアのようで (ページ28)

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【番外編1】一冊の本ページ28

不動と遊佐さんのお話。

この番外編では遊佐さんが夢主になり、その相手が不動となります。

佐久間さんあんまでてきません！

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＜遊佐side＞

小学校の頃、私はえっと………

なんて言えばいいかわからない。

田舎で生まれ、ごくごく平凡に育っていたけど人一倍好奇心旺盛だったことは良く分かる。

そんな私にある男の子がくれた一冊の本。

”ナイチンゲールと薔薇の花”

結構古くて、洋書だったからぜーんぶ英語。

特別頭が言い訳でもなく、小学当時それを日本語に治すなんてできるはずもなく。

中学に入ってもそれをながめることだけで、読むことなんて出来なかった。

くれた男の子、その子は翌日小学校を転校してったものだから一冊のその本は行き場の無いかのよう私の部屋の本棚に収まっていた。

だけど、ある日。

ひとつ上の姉がある人のファンになった。

豪炎寺修也。そう、FFIがあった当時私が中二の時。

その凄い名字の人にはまった姉に無理矢理つき合わされ、サッカーを見るようになった。

姉「ほんとやばい！豪炎寺くんかっこよすぎ！」

「へぇ、」

姉「誰格好いいと思う？」

特別、そういったものというか…

芸能人、スポーツ選手に興味がなかった私は流すようにテレビの画面を見る。

目に入ったモヒカン。

今こんな髪型する人いるんだ………

そんな陽気なことを考えてると、モヒカン男のつり目が懐かしく感じた。

姉「あんた誰見てんの？………あぁ、不動くん？」

「不動、……」

姉「イケメンで、頭がいいってギャップから好きな人多いよ」

私は、ある言葉があたまに浮かんだ。

そう、不動くん。

私にあの本を渡してきた張本人。

そうだ、不動くんは言ってた。

”必ず全部読めるようになれよ。俺がお前に言いたいことも書いてある。”

仲が良くて、初恋だった不動くん。

まさかあんな有名人になってるとは思わなかったけど、

その言葉を思い出してから私は英語を猛勉強するハメになった。