【07】 ページ8
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中井「……？会長？なにしてるんですか？」
翔「何って見ればわかるだろ、体育座りだよ」
中井「いや分かりますけど…椅子があるんだから座ればいいのに(笑)」
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あっぶね！あっぶね！
ガラガラという音と共に、慌てて椅子から転がり落ちてその場に体育座り。
俺、何もしてません。全然、そんな髪の毛撫でてたとかそんな積極的なこと、断じてしてません！
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扉の向こうからやってきたのは、生徒会メンバー。
ぞろぞろと入ってくる手元を見れば、やっぱりコンビニの袋。
堀口先生は「暑いねー」とクーラーの電源ポチり。
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「………ん？」
中井「あ、白石先輩。起きました？」
「…ぁー……寝ちゃってたのかな、私」
中井「みたいです(笑)」
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書記の中井ちゃんが、さも当たり前のようにAの髪の毛を撫でてる。
くっそう、俺も中井になりたい。
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中井「聞いてくださいよ、さっき会長。体育座りしてたんです」
翔「あっ、ちょ中井」
「体育座り？(笑)」
中井「おかしいですよね」
「翔ちゃん、昔からなんかちょっと残念なとこあるよね」
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ぐっ。ズキッ。ダメージ大！
残念なところあるって、やっぱり。グサッと俺の胸を突き刺していく。
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中井「会長が？」
「翔ちゃんはね、可愛いところあるんだよ」
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ね、って花が綻ぶように微笑むA。
これは喜んでいいものなのか？
それとも男として見られていないという解釈で落ち込んだほうがいいのか？
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翔「う、うん…」
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Aは、いつだって俺にとっては難問だ。
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堀口「じゃー、九月の終わりにある文化祭について本格的に考えよっかー。会長、副会長ー」
翔「はい」
「はい」
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はあ。もっと男らしいとこ、見せなきゃ。
トントン、と書類をテーブルの上で揃えて前にあるホワイトボードの方へとAと歩く。
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「翔ちゃん」
翔「ん？」
「ーーーー…今日、一緒に帰ってあげる」
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時が止まる。
ふふ、と微笑んでAは先にホワイトボードの方に行く。
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ーーーーー…翔『……いっしょにかえりてぇよ』
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翔「………えっ？」
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『眠る姫君に、僕は。』fin.
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