【05】 ページ6
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翔『え？』
『……』
堀口『いやだからね？学年で成績が優秀な櫻井くんと、白石さんに生徒会長と副会長。して欲しいの』
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とある放課後。
担任の英語教師、堀口先生に呼び止められたかと思えば職員室に引っ張られ
既にそこにはAがいて。
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話はどうやら、生徒会のことだった。
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堀口『もう三年生も引退だから。決めなきゃいけなくて。もちろん嫌だったらいいの、無理強いするつもりはない。ただやり甲斐とかはちゃんとある』
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正直。中学校の頃やったし。メンドくさいなぁ、ってのが本音。
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堀口『具体的にはーーー』
『やります』
翔『！』
堀口『白石さん！本当！？じゃあ…』
翔『俺もやります！』
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だけどAがやるとなれば話は別だ！
あまりの勢いに堀口先生はビックリしてた、というか若干引いてたけど。
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『翔ちゃんと一緒なら安心だね』
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久しぶりにそう笑われて、俺は胸がギュン！と鳴った。
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かくして、高校三年生。現在。
見事生徒総会で、生徒会長と副会長になった俺とAは。ずっと疎遠だったが
ほぼ毎日、何かのおかげで放課後顔を合わすことになった。ありがとう生徒会、ビバ生徒会。
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ヒデ「じゃーなー！頑張れよ生徒会ー！」
翔「おう。ヒデもバイト頑張って。今日はピザ屋？」
ヒデ「ピザ屋は明日！今日はコンビニのレジ打ち！」
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じゃあな！ってひらひらと手を振って、バイトを掛け持ちしてるヒデと別れる。
今日は定例会。あいにく二年生は修学旅行でいなくて、一年生は定例会には自由参加だ。
あんまり人いねぇだろうな、って思いながら必要な書類を抱えて階段をリズミカルに降りていく。
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生徒会室は二階の奥。夏の終わり、秋の始まり。
窓の外からは野球部の練習の声、テニス部の外周の掛け声。
三階からは吹奏楽部の練習の演奏じゃない、音出しの楽器の音。
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放課後、である。
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ガラガラ、と生徒会室の扉を開ける。
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翔「ーーーー…」
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そこには、白い長テーブルに顔を埋めて寝ているAと
淡いキャラメルの夕暮れしか存在しなかった。
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