【07】 ページ46
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俺の人生を振り返ってみる。
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俺にとって、春日Aは全てだった。
Aがいなくなることは、想像ができなかった。だからこそ、もがいたし困らせたりもした。
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周りは俺のことを優しいっていうけど、そんな優しい人間でもないし、悪いことだって考える。
俺だって何度二宮がいなくなればいいのにと思ったことか。
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それでも。
やっぱり、好きな人には笑っていて欲しいから。幸せになって欲しいから。
好きな人に好きな人がいるのはつらいけれど。胸がえぐり取られてしまうほど苦しいけど。
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それでもやっぱり、泣き顔より笑顔が好きだから。笑顔を見ていたいから。
幸せであるようにと人は願うのだ。
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人の運命は不思議なもので、色々な偶然が重なり合って人は出会う。
この短い、短すぎる人生の中で人はどれだけの人と出会うのか。その中から一生を添い遂げる相手を見つけるのがどれほど難しいことか。
人は必要なときに、必要な人と巡り合う。それが運命だからだと聞く。
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俺の周りの人は、素敵な人ばかりだ。
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ーーーー…翔『お前、それでいいのかよ！？』
初めてできた、親友。
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ーーーー…智『大切なものって案外すぐなくなるよ』
助言をくれる、心やさしきもう一人の親友。
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ーーーー…菜月『い、意味わかんない！』
素直じゃないけど、可愛らしい妹。
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ーーーー…和也『幸せになってください』
かつての、恋敵。
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ーーーー…『潤くん、大好きだよ』
今でも大事な人。
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ーーーーー…葉月『結婚、します…』
そして、今までもこれからも。ずっと守りたいと思う人。
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このやさしさがあふれる空間を作り上げたのは、優しい人たちに囲まれているから。
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だから。
このぐっちゃぐちゃな顔で、俺は伝えよう。
これ以上ない、笑顔を見せて伝えよう。
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とん、と立ち上がる。
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マイクは通さず、ありのまま。
両手を口元に持って行って、伝えよう。
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潤「ーーーーー…ありがとう！」
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『ペリドット・マリアージュ』fin.
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