【04】 ページ43
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教会での云々が終わり、披露宴。
登場の時、俺は不意に泣きそうになった。
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でも男が泣くなんて、みっともない。
ぐ、と奥歯を噛み締めて無駄に笑顔を作った。誰かに気づかれてはないだろうか。
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盛大な拍手。その拍手の中に
嬉しそうな顔をしてる翔と、智がいて
その隣に彩音と梨香子がいて。
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そのテーブルの近くに、綺麗になって、もう既に泣きそうになってるAがいて
その隣で本当に嬉しそうな、二宮がいて。
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家族席で、大泣きしてる菜月がいて。
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智「今から一芸します！翔くんが！」
翔「えっ！？俺！？智がやるっつってたじゃねえかよ！」
智「？なんのことやら…」
翔「ハァ？」
彩音「いけいけー！」
梨香子「智もいけいけー！」
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ワイワイと余興をやってくれる、智と翔。
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お互いの親に感謝を告げたり。葉月は手紙を読みながら菜月そっくりの泣き顔を見せて。
俺はグッとやっぱりかっこ悪いから我慢して。
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ハッピーで包まれた空間。
Aが俺に向けて手紙を読んでくれることは分かっていたから、Aが泣きながら
今までの感謝を綺麗な言葉で連ねてくれた時も、俺は本当に泣きそうだったけど死ぬほど我慢した。
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でも。こういう場にはサプライズがつきもので。
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泣きながら手紙を読み終えたAが、ゆっくりと頭を下げて
パチパチ…と拍手。その拍手が止み終わる前に
パッと顔を上げて、さっきとは違う笑顔。
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マイクに声が透き通る。
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「実は、今日は潤くんにお祝いをしたいのは私だけじゃないんです」
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ザワザワ。
隣の葉月が「誰だろうね？」って目を丸くする。
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「どうぞ！」
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Aがマイクの前から去って、席へと戻る。
その入れ替わりとして、マイクの前に立った人物。
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絶対ない、って思ってた。
思ってたから、目がこれ以上ないってぐらい開いた。
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和也「……よろしくお願いします」
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すっかり大人になっていい男になったお前は。
それでも変わらない、仏頂面なのな。
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