恋に落ちたその日を【20000！×5】 (ページ41)

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パティスリーAugust。

街の少し端っこにあった、ケーキ屋さん。

そこで働いていたのは澤野葉月。あの二宮が心を許した数少ない友人、澤野菜月の姉だった。

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そこからまあ、紆余曲折あり。俺はAの結婚式で彼女を思い出にできて、葉月とお付き合いを始めた。

葉月との毎日は楽しくて、時に喧嘩もしたけれど。もっと一緒にいたい。ずっと一緒にいたい。

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もし彼女が悲しみに暮れた時でも、そばにいてやりたい。

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潤『結婚しよう』

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ばくばくして、今度は口から心臓が飛び出てしまうんじゃないかと思うぐらいの鼓動を抱えて

銀色の指輪を差し出せば、葉月は泣きながらコクコクと頷いてくれた。

そして、やっぱりどれだけ思っても心臓が口から飛び出てくることもなかった。

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『けっ………こん………！？』

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Aを呼び出した、晴れた日の昼間。

イケメンシェフがいると噂のfishでご飯を食べている間、さらっと報告すると

さっきまで「美味しい美味しい」ともぐもぐしていたAは食べる手を止めて

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『え、結婚。………結婚』

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しみじみと考えたと思ったら

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『………～～～～～っおめでとう…』

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今度はだばー、と年甲斐なく泣き始めた。

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『ほん、ほんっとうにおめでとう、ほんとうに』

潤『泣くなよ(笑)』

『は、葉月さんだよね？』

潤『他に誰がいるの』

『菜月にしばかれないようにね！って大丈夫だよ、菜月もなんだかんだで潤くんのこと好きだから』

潤『うん』

『う…………う、おめでとう～～～～～』

潤『(笑)、ほらティッシュ』

『ありがとう～～～～～』

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Aはその日、ちょっと、いやかなり引くぐらい泣きじゃくった。

彼女があまりにも泣くから、俺は笑った。

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俺だけだった。

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翔『…っまじ！結婚すんの！遂に！』

智『あ～、潤もとうとう自由を失うんやな…』

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結婚をしていなかったのは。

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翔『そう夢がなくなるようなこと言うなよ』

智『だって』

翔『梨香子を嫁にしたお前が悪い』

智『幸せだけどさ、時たま泣きたくなるよ』

翔『謎の小遣い制度な(笑)』

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