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「よし。これで多分ずれないと思う」
「おお…。流石元ヤン。治療はピカイチ」
「アハハ目玉潰すぞ?」
「お前が言うとガチでやりそうだからやめろ下さい」
ぺんっ。とロヴィの膝を叩く。
そして窓側で簡易用脱出ロープを垂らしていたアーサーの方を向く。
「出来た?」
「おう。にしてもこんなもん持ってたのかよお前…」
「中学以来の相棒です。…じゃ、ロヴィ。またね」
「ん。風邪ひいたら一番に俺を呼べよ?」
「また学校休むつもり?」
「かもな」
ふふっ。と笑い、ロヴィも優しく微笑む。
そしてロープを掴み、下に降りる。
と思った彼は信じられない行動を起こすのである。
ぐい、と勢い良く腕を引っ張られる感覚。
「うわ…っ」
声を上げる間も無く右頬に
ふに、とした。
冷たく、熱く、不思議な感覚。
「じゃあな」
不敵に笑うロヴィ。
待って、を言う前に、ロヴィの言葉で遮られる。
「カークランドさん。俺、負けませんから」
「…ハッ。上等だ」
2人の間に火花が散っている様に見える。
アレレ幻覚かな。
いつもの私だったら「喧嘩は他所でやってねー」位のKYっぷりを発揮するのだが、今回は無理。
なんか殺される気がする。
そして私の方を見て微笑んだロヴィはそのまま帰ったのである。
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作者名:水道の花子さん。 | 作成日時:2017年2月14日 13時