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「…」
「…」
「…」
「…いやなんか言ってくれよ」
「じゃあ言わせてもらう。なんでテメェがここにいる」
冬休み。
エリーが呼んだ、と言うアルバイトを待ちながら箒で地面を掃く事30分程。
その人はやってきた。
落ち葉が残るレンガ造りの道路を歩く靴は質の良さそうな革靴。
冬の陽に透かされる髪色はハニーブロンド。
こちらを真直ぐに見据える瞳は冴えた新緑。
手足は長く華奢で、その一挙一動が洗練された美しさがある。
何よりその人を色濃く印象づけるのはその美しいハニーブロンドの髪と、新緑の瞳の間にある眉毛。
そうその人の名前は…
「マユゲ・カークランド…?!」
《なんてボケていた時期もありました》
「おいおいなんでって酷くねぇか?折角俺が来たっていうのに…あっ、いや、別にこれはお前の為なんかじゃなくて俺の為であって」
相変わらずのツンデレを炸裂するアーサーからつい、と目を逸らし、箒を振り回しながら教会へと足を進める。
「…うちはこっち」
「?おう」
「あとそれから」
教会に近づく。
ここの扉を開ければ私は怒涛の忙しさに巻き込まれ、いつ寝ていつ飯食ってるかも分からない状況になる。
だから言ってしまおうじゃないの。
「アンタがアルバイト来てくれた事、感謝する」
不敵に笑い、そのままの勢いで扉を開ける。
後ろで鞄が落ちた音とかそんな物は聞いていないぞっ。
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作者名:水道の花子さん。 | 作成日時:2017年2月14日 13時