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わいわいがやがや
ぺちゃくちゃぎゃーぎゃー
学食らしい喧騒の中、私はいた。
いやさ、折角学食が有るなら行きたくない?
「あっ、せや二人共!お兄ちゃんから水族館のチケット4枚貰うたんやけど今週末行かへん?」
ベルベルがポケットから取り出したのは割と近くにあるアクアマリンアクシス水族館のチケット。
アクアマリンアクシス水族館の中にはたくさんの魚やらペンギンやらが居て、大人から子供まで楽しめる水族館なんだー。
そんな私の隣で竜田揚げ定食を食べていたエリーがベルベルからチケットの1枚を取った。
まじまじと見た後、首を傾げる。
「でもさ、4人ってことはあと1人余るわよね」
誰にするの?
その問いかけに、私達2人は顔を見合わせ答えた。
「フランシスで良くね?」
「フランシスさんでええやろ」
「あーやっぱり?まぁフランシスカマポジだしねー」
連れて行く人を決めたので、またお喋りしながらご飯をつつく。
あ、カマポジって何や思ったそこのレディ!
カマポジって言うのはほらアレですよ。
オカマポジションの略ですよね(そのまま)
え、だってさ、フランシスってなんか女の子っぽいじゃん?だからカマポジじゃん?
…あーもうっ。何言いたいんだかわけわかんないっ。
「ふー。お腹いっぱい。じゃあフランシスに頼んでくる…」
「あっ!待ってA!」
振り向くと、手帳をパラパラ捲るエリーが目に入った。
はた、と止まると申し訳なさそうにこちらを見る。
「ごめん…その日ローデリヒさんと楽譜買いに行く約束してるわ…」
「あちゃー。ならしゃあないな。他の日にしような」
「あ、待って大変。これ今週末までだよ」
「なん…やと?!お兄ちゃん言ってくれんかった!」
「まーランさんはねー」
金にがめついベルベルの兄を思い浮かべる。
小さい頃は可愛がってもらったけど大きくなってからは全然会わなくなっちゃったなー。
そう物思いに耽っていた私の横で鼻水を啜る音がした。
私の隣は1人だけ。
そちらに顔を向けると泣きそうな顔をしたエリーが手帳をギリギリと握りつぶしていた。
「ちょ、エリー!そんな泣きそうな顔しないで?!ローデリヒさんとのデートなんて滅多に無いんだからいってらっしゃいよ!」
「でも…」
「でももだっても無いわ!ローデリヒさん忙しいんやろ?なら行くべきや。うちらは暇人やしなー」
「ベルちゃん…A…」
泣き出しそうなエリーを二人で抱きしめる。
いやぁ、友情ってもんはいいね
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作者名:水道の花子さん。 | 作成日時:2017年2月14日 13時