普誕 ページ24
「今日は、ね｡貴方に会わせたい人がいるの」
そう言って、Aさんはマフラーを渡してきた｡
ｻﾞｸｻﾞｸと雪を踏みしめる音｡
無音の道路に二つの足音のみが聞こえる｡
もうこうして歩いてどれ程の時が経っただろう｡
「なぁ｡どこまで行くんだ?」
「駅まで」
「そこにいるのか?会わせたい人って」
「いいえ」
「じゃあどこまで行くんだよー?」
「…Svizzera」
「ｽｲｽｩ?んでまた」
「…大切な人がいるの」
「…ふぅん｡あっ､Aさん!!俺食い物買ってくる!!」
「電車は8:32よ｡それ迄には戻ってきなさい」
「Ja!!」
ドイツ風の返事をした俺様を呆れたように見たAさんは､ﾁｹｯﾄを投げて､ふわりと風のように何処かへと行った｡
どこかって言っても多分車内なんだろうけどな!!
「おじちゃん!!ｻﾝﾄﾞｲｯﾁ2つくんねぇ？」
「おう!待ってろ!」
そしてｻﾝﾄﾞｲｯﾁを受け取り、歩き出す｡
行くぜｽｲｽ!
電車にｶﾞﾀｶﾞﾀ揺られること何時間?何分?…俺様寝てたからよく分かんねぇや｡
「着いたぜｽｲｽ!!」
「A」
空気が気持ちいいぜぇ〜!と叫んでいた俺様の耳に男とも女とも言える声がAさんの名前を呼ぶのが入った｡
弾かれるようにして前を見るAさん｡
ｳﾙｳﾙと目に涙をため､その声の主の元まで走っていった｡
…え､俺様どうしたらいいの｡
「バッシュさん…!」
「元気にしてたか?」
「勿論…そちらも元気そうで何より｡リヒちゃんは?」
「今日は向こうの国で何かあるそうだ」
「そう｡残念｡リヒちゃんにまた遊びましょう､と伝えておいてくださらない?」
「分かった｡我輩の方から伝えておこう｡…そっちの子供は何だ?」
「ギルベルト･バイルシュミット｡私の息子よ｡…ほら､彼の」
「ああ…｡バイルシュミット｡我輩と会うのは初めてだな｡我輩の名前はバッシュ･ツィングリである」
「お､おう…｡よろしく」
背は高くないはずなのに､どこか威厳の溢れるバッシュさんとやら｡
自然と及び腰になっちまった｡
「ｽｲｽ国内ではバッシュさんが案内してくれるわ｡困った事があれば言って頂戴」
「それでは行くぞ｡まずはｱｲﾂの場所でいいのだな?」
「うん」
右手をAさん､左手をバッシュさんに繋がれながらついたのは墓地｡
とは言っても墓石一つしかない寂しい場所だ｡
でも､なんだろう｡初めて見たはずなのに懐かしくて､涙がこみ上げてくる｡
「Aさん…｡ここは？」
普誕2→←閑話休題2〜実は恋人？！秘密の関係になっちゃった☆☆☆☆☆〜
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水道の花子さん。(プロフ) - りんごうめぇさん» 返信遅くなってしまいすみません汗ありがとうございます！涙ながらだなんて嬉しいです現在画面の向こうで喜んでおります！今までありがとうございました！ (2017年1月23日 6時) (
レス) id: 7669f7e486 (このIDを非表示/違反報告)
りんごうめぇ - もう最高です 涙ながら読んでいました (2017年1月22日 23時) (レス) id: bee65c2c62 (このIDを非表示/違反報告)
水道の花子さん。(プロフ) - 薊さん» 返信遅くなってしまってすみません汗ありがとうございます｡泣いて下さったなんて…嬉しい!!本当にありがとうございます!!あら､鉄は熱いうちに打て!の方も見て下さっていたんですか？も､本当にありがとうございますです笑薊さんにそう言ってもらえるとやる気120%です (2017年1月22日 17時) (レス) id: 7669f7e486 (このIDを非表示/違反報告)
薊 - 完結おめでとうございます！もう、ほんと涙が止まらなくて…。何も知らない親からすごい目で見られました笑。とても、素晴らしい作品でした！鉄は熱いうちに打て！のほうも頑張ってください！これからも応援しております！ (2017年1月22日 13時) (レス) id: 3aaa89a69c (このIDを非表示/違反報告)
水道の花子さん。(プロフ) - 薊さん» いつも更新楽しみにしているだなんて…!!ありがとうございます!!最後の最後まで皆様を驚かせようと現在頑張り中!!良い出来かどうかは別として…、待っていてくださいね!! (2017年1月20日 6時) (レス) id: 7669f7e486 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水道の花子さん。 | 作成日時：2016年11月25日 18時
