P37 ページ43
雨が制服を冷たく濡らす。
許さない｡
大切｡
嫌い｡
信じてたのに｡
ねぇ､それは､本心なの?
頭の中でぐるぐる巡る｡
どれが正しい私?
「へぇ｡新入員?」
「おん｡も､めちゃくちゃ可愛ええ子でな?親分食べへんか心配やわ」
うへうへと笑うアントーニョを軽く叩く｡
あいたぁ?!と痛がる振りをするけど大丈夫｡
ｺｲﾂはこんなことじゃ死なねぇ｡
「で､Aにはその子の世話して欲しいんよ」
「なんで私が」
「ちっこい子の世話できる方がロヴィ好きや言うとった「やります」…ほな､頼むでぇ!!」
額にキスしやがって出ていったアントーニョ｡
面倒臭いがしょうがない｡
ロヴィの為なら何のその｡
思えば､それは大した事ではなくて｡
ロヴィは私の事なんて初めから見てなかったし､私はこうもしつこく攻められることも無かったのだろう｡
それでもアーサーを拒めない私は｡
ただの阿婆擦れなのかもね｡
「…くしゅ」
「またくしゃみして…だからﾀｵﾙ使えって言ってるだろ｡言っておくがこれは別にお前の為じゃなくてお前が学校を休んだら暇だって言う俺のた」
「アーサーはさ」
「め…､何だよ」
「どうして私の事､守ってくれたの?」
ああまたシリアスになっちゃったよｺﾞﾒﾝﾅｻｲ!!
でも気になるんだもん!!
好きだから?
そんな理由で人のこと(しかも付き合えないって言ってる人に!!)優しく出来る?
私は無理｡
だから聞きたいの｡
アーサーの､本心を｡
「お前最近俺に語らせたいのか?」
「うん｡アーサーの事もっと知りたいし」
見つめると､目をそらすアーサー｡
え、なんで｡
「…っばか」
「?なんで照れるの｡さっさと話してよﾊﾟﾌﾞﾘｰﾉ」
「最悪な渾名つけんじゃねぇよ!!…ったく｡
別に俺が守ってやろうって思ってそばにいる訳じゃねぇんだよ｡俺がお前の隣に居るのが幸せだからそばに居るんだ」
「…ふぅん」
じと目で見るとぼぼっ､と顔を赤くするアーサー｡
…私気づいたんだ｡
アーサー私の冷たい顔好きなんだと思う｡
うわ変態かよ｡
「かっ､勘違いするなよ?!これは俺の為じゃなくてお前の為な…んん?」
「ぷっ」
「わ､笑ってんじゃねぇよバカァッ!!」
「ごっ｡ごめんごめんっ｡Thank you」
「…おう」
…この人と一緒にいるのも､存外悪い事ではないのかもしれないよ｡
P38(長い間非公開にしてましたことをお詫び申し上げます)→←P36
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 31人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水道の花子さん。(プロフ) - なつみかんさん» ありがとうございます｡楽しんでもらえるように尽力する次第でございます (2017年1月30日 18時) (
レス) id: 7669f7e486 (このIDを非表示/違反報告)
なつみかん(プロフ) - わゎっ...落ち��に決まったんですね！楽しみです！！頑張ってください（≧∇≦） (2017年1月30日 18時) (レス) id: 5e41aa0a5a (このIDを非表示/違反報告)
水道の花子さん。(プロフ) - なつみかんさん» ��ですか!!なつみかんさん流石です!!��になりましたら頑張ります!!ただ私にそれ程の文章力があればですが!!((( (2017年1月25日 6時) (レス) id: 7669f7e486 (このIDを非表示/違反報告)
水道の花子さん。(プロフ) - たんばりんさん» たんばりんさんコメントありがとうございます!!ロヴィ!!良いですよねロヴィ!!(ﾃﾝｼｮﾝが高い)スペイン親分…!!本当に予想を裏切らない反応ありがとうございます!!超面白いと言ってもらえて嬉しいです!!これからも面白さを追求できるよう頑張ります!! (2017年1月25日 6時) (レス) id: 7669f7e486 (このIDを非表示/違反報告)
なつみかん(プロフ) - ��という選択肢があるのなら、��がいいですね、はい。 (2017年1月25日 1時) (レス) id: 5e41aa0a5a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：水道の花子さん。 x他1人 | 作成日時：2016年10月29日 21時
