４舎 ２９ ページ31
犬「―――仕事については以上だ。何か質問はあるか？」
貴「いえ、大丈夫です。ありがとうございます」
犬士郎さんは、看守室に着いた後
４舎での仕事内容や、資料などの場所を
丁寧に教えてくれた。
犬「では、次は囚人達の房を案内しよう。ついてこい」
貴「はい」
犬士郎さんの後を追って
囚人達の居る房に続く廊下を歩く。
５舎と違って、４舎は静寂に満ちていて
少し新鮮だった。
放送局もそこ自体は静かだったが
三鶴さんが常にハイテンションなせいで
静寂とは無縁だった。
そんなことを考えながら
歩いていると
？「あれ、犬ちゃん？まだ見回りの時間じゃないよね？」
という声が、丁度通りかかった房の中から
聞こえてきた。
その房の中に居たのは
胡坐をかきながら本を読んでいたらしい
大柄な男性だった。
貴「(…おや？)」
男性の持っている本は、
普通の文字が印刷されたものではなく
点字で書かれていた。
という事は、彼は目が見えないのでしょうか？
そんなことを考えていると、
犬士郎さんは彼に対して
犬「見回りの時間ではないが、少々用があってな」
と答えた。
？「そうなんだ？っていうか、足音多かった気がするんだけど、犬ちゃん以外に誰かいるの？」
犬「あぁ。大蛇A、新しい看守であり主任補佐だ」
貴「大蛇Aです。今日から一週間、ここの主任補佐を務めるのでよろしくお願いしますね」
？「へぇ、女の人？珍しいね。俺は囚人番号６３４番、ムサシって呼んでよ」
貴「はい、わかりました。ムサシさん」
そう言って私が手を差し出すと
ムサシはちょっとためらうようなそぶりを見せた。
貴「……握手は苦手ですか？」
ム「あっ、いや！そういう訳じゃないんだ！」
手をひっこめようとすると
ムサシさんは、慌てて私の手を
握りしめた。
手袋越しではあるが、ムサシさんの手は
とても温かかった。
貴「ムサシさんの手はとても温かいですね」
ム「！……そう？」
貴「はい」
そう言って笑うと、
ムサシさんは握った手に少し力を籠め
ム「そっか…ありがとAちゃん」
と、微笑みながら言った。
犬「……おい、６３４番。いつまでAの手を握っているつもりだ」
貴「あ、すみません。犬士郎さん」
ム「ごめんね、犬ちゃん」
私達が手を離すと、
犬士郎さんは「行くぞ」と言いながら
羽織をはためかせ、通路を歩いて行った。
貴「ではまた」
ム「うん、またねAちゃん」
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SHANA(プロフ) - はい、楽しみにしてますね！ (2018年1月1日 0時) (
レス) id: a25e95bc5d (このIDを非表示/違反報告)
魔夜魅月(プロフ) - SHANAさん» コメントありがとうございます！続編も楽しんでいただけるよう頑張りますね！ (2017年12月31日 23時) (レス) id: 24c3ac3236 (このIDを非表示/違反報告)
SHANA(プロフ) - 続編楽しみにしてます！続きとってもきになりますね！毎回楽しみです！ (2017年12月31日 23時) (レス) id: a25e95bc5d (このIDを非表示/違反報告)
忍 - 大丈夫です！ (2017年12月17日 9時) (レス) id: d3e7e2edb6 (このIDを非表示/違反報告)
魔夜魅月(プロフ) - 忍さん» 忍さんコメントありがとうございます！それと、胃は大丈夫ですか？！ｗ (2017年12月16日 14時) (レス) id: 24c3ac3236 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魔夜魅月 | 作成日時：2017年12月7日 1時
