【銀魂】後悔途切れぬ恋物語【坂田銀時】

期待と不安と繋がり ページ17

「―――あれについて、話したいの」




想いを確かめ合って、キスをした。



一言で収まってしまうそんな出来事に、この十数年ずっと囚われ続けてきたのだ。





「忘れたことなんてなかった。いつだって引っかかってて。」



だから正直、銀時と再会したときに―――少し、期待した。




勿論大部分は不安で埋め尽くされていたけど、ほんの少し。本当に僅かだけど、期待した。





「･･･でも、再会してから今まで、あれが無かったことみたいに接してて」



私も、銀時も。



「――――――それが、どうしようもなくもどかしかった。」




あのとき、私たちは想いを確かめ合った。


･･でも、それで何かが変わるとかそんなことはなくて。




銀時たちは戦争に行く直前だったから、恋人同士という名も手に入れられなかったし。






「･･･頼りない繋がりだったから」




腐れ縁、幼馴染、友達、妹分。


そんな繋がりの中に、『両思い』が加わっただけで、それは直ぐに切れてしまいそうな程頼りなかった。





「･･･だから、言い出せなかったの。今まで」




自分でその繋がりを断ち切ってしまいそうで。



全ての名を捨てて、『他人』となってしまいそうで。

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