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手伝ってもらって横になると 相澤さんはベッドサイドに浅く腰かけて 少しべたつく髪をゆっくりと撫でてくれる
「いつから 思ってくれてたんですか？」
「今度 教えてやるよ」
撫でられる感覚が心地よくて 少し微睡みながら聞くけど 優しく微笑んでそう言うだけで 答えは教えてくれないらしい
だんだんと瞼が閉じて行って 最後に 「おやすみ」 って声の後に 額に優しく何かが触れるのを感じた
朝になって目が覚めたら 相澤さんは居なくって 窓もしっかりと閉められてた
昨日の事は夢なのかなって思えたけど 床頭台に２つ並べられている花を見て 頬に熱を感じた
その日は一日 術創の検査や 退院の予定の話し合いだけで それ以外は病室のベットの上でただゆっくりと過ごすしかなかった
ベットの上で痛みに耐えながら横を向いて 私用と活動用のスマホを見たらそれぞれ着信やメッセージが溜まっていた
私用のスマホには 学校や実家の両親からの着信と 数少ない友人からのメッセージ…
活動用には 交流のあるヒーロー達からの心配のメッセージが入っていた
メッセージにはそれぞれ 目を通してから感謝と大丈夫だといった旨のメッセージを置くって
実家と学校にはここで電話をすることができないから 頑張って痛みに堪えながら病院の中庭へ移動して そこで電話を掛ける
今回の私の事は ニュースで取り上げられたみたいで ちょっとした騒ぎになってたらしい…
先に両親に電話を掛けた
両親は泣きながら心配してくれて 戻って来いとまで言われたけど それは断った
次に学校…
電話に出てくれたのはマイクさんで 開口一番の大きな声に 慌ててスマホを耳元から遠ざけた
受話器の向こうでざわついた音が聞こえてきて 途切れ途切れに先生方の声が聞こえてくる
迷惑をかけたことを先に謝罪して 聞こえてくる声にそれぞれ返答を返していく 途中から声がはっきりと聞こえて来たから 向こうでスピーカーモードにしたらしい…
暫く話しをして 看護師さんに呼ばれたから電話を切って 病室に戻る…
術創の経過は良好で 退院は明々後日に決まった
そのことは直ぐに睡と相澤さんにメッセージを置くって スマホを閉じる
ゆっくりと流れる時間を久しぶりに穏やかな気持ちで過ごせることに少し嬉しく思いながら ゆっくりと目を閉じる
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作者名：さくや | 作成日時：2021年8月24日 7時
