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女性は顔を天井に向けて 高笑いをしながらその目は私を見下ろしてくる
その時に見えた女性の目は 見開かれて瞳孔が開いていた
顔は天井を見上げながらも 爛々とした 冷えているのに 燃えるような視線は
私をじっと見つめてくる…
この人…狂ってる
その視線に 強張っていた体は硬直して恐怖で顔が引きつっていく
尻餅を付いたまま ウルの頭を抱いてじりじりと後退していく
一気に視線が低くなって見降ろされる体制になったら恐怖心が襲ってきた
恐怖からか 涙が溢れてきて 頬を伝って流れていく…
そのまま後退して行ったら 何かが背中にぶつかり、振り返ったら そこには目当ての棚があった
棚を支えに立ち上がって防犯アイテムを探す
飾っていたものが音を立てながら床に落ちて陶器製の物は割れたりしてるけど今は気にしている余裕がない
やっとの思いで目的の物を手に取って両手に持つ
手に持った物は 掌サイズの犬型の置物… これは置物型の催涙爆弾
睡が『もしもの時のために』ってプレゼントしてくれたもので
置物の背中についている安全ピンを外して相手の足元に叩き付けたらその衝撃で中に外側が破裂して溜め込まれたガスが噴出されるらしい…
使ったことが無くて どんなものか分からなかったし
こんな使い方をするとも思わなかった…
震える手で置物の安全ピンを外して 思いっきり振りかぶって女性の足元に叩きつける
ガシャン と置物が割れる音を背中に聞きながら 私は転がり込むように寝室に入って扉と備え付けられている簡易の鍵を閉めた
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作者名：さくや | 作成日時：2021年8月24日 7時
