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車はエンジンを付けたまま
よく見たら鍵も運転席のドアポケットに入れたままになってる…
これで私が車を降りて帰ったら乗り逃げとかあったら大変だし 完全に逃げ道を閉ざされた
諦めてカーナビに住んでいるマンションの住所を入力してナビゲーションをスタートしておく
ぐるっと回って大通りを一本挟んだところにピンが建てられて青い道筋で順路が標示される
睡以外に私の家を知ったのは相澤さんが初めて
１人暮らしになって男の人に住所を知られるのはちょっと抵抗があったけど これはしようがないと思うしかない
目的地の場所が間違いないことをもう一度確認してたら ビニール袋を持った相澤さんが運転席に乗り込んできた
「すみません ありがとうございます…」
スッと渡されたビニール袋を受け取ってチラッと中身を見たらカテキンの入ってないお茶の他に野菜ジュースなどの飲み物とサンドイッチやおにぎりが何種類か入ってた
相澤さんの愛用のゼリー飲料も袋の底の方に見えて少し笑ってしまう
「目的地、ここで良いのか？」
ナビを見ながらそう聞いてきた相澤さんに 「はい」 って小さく答えて倒したままだったシートを起こしてシートベルトを締め直す
目的地までの到着時間はおよそ３分… 道中は無言のままで、信号に掛かることなく直ぐに到着した
シートベルトを外して扉を開けるとすんなりと開いて安心した
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作者名：さくや | 作成日時：2021年8月24日 7時
