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シートに背中を預けてシートベルトを締めてればすぐに運転席の扉が開いて相澤さんが乗り込んできた
シートベルトを締める相澤さんを横目に覗き見ると普段と違って見えて不覚にもときめいてしまう…
気付かれないように 不自然にならないようにそっと視線を外したら車に備え付けられているカーナビに目がいって少し体を起こす
「ナビ触りますね」
答えを聞く前にタッチパネルに指を滑らせてマンションの近くのコンビニを目的地に設定する
このコンビニ、一番近い所だけど正直使ったことがなくてまっすぐマンションまで帰り付けるか分からないけど 現住所を教えるよりはいいと思うから…
ナビゲーションスタートのボタンを押して ゆっくりとシートに背中を預ける
「今住んでる所から一番近いコンビニです 少し買うものがあるのでそこまでお願いしても良いですか？」
疑問形の口調だけど 「そこまでで結構です」 って意味を込めて少し語尾を強めて言うと相澤さんは頷いて車を発進させた
静かに動き出した車はほとんど振動が無くて乗り心地が良い 運転が上手いし、いい車なんだろうなって思う 車には詳しくないからよく分からないけど…
「そう言えば、食堂に迎えに来てくれたの どうして相澤さんだったんですか？」
ふと気になったことを聞いてみた あの時、話に行ったのは睡だったし 話を付けて睡が迎えに来てくれると思ってたから… 本当に気になった
「…たまたまだ 俺も午後から開いてたんで送るように言われたからついでで迎えに行った
それだけだ」
それはたまたまっていうのかな…？
午後から授業が入ってなくって開いてたっていうのは確かに ≪たまたま≫ だと思うけど
送るように言われた ってのは校長の配慮だと思う でも それでついでに迎えに行こうってなるのかな…
少し突っ込みたい気持ちもあるけどそれはぐっと飲み込んで 「そうなんですか、ありがとうございます」 って相澤さん横顔に向けてお礼を言っておく
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作者名：さくや | 作成日時：2021年8月24日 7時
