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「何がだ」
何も聞こえなかったはずの耳に届いたのは低く不機嫌そうな男性の声で
急に聞こえて来た声に驚いて目を見開いて顔を上げる
案の定そこに居たのは相澤さんで不機嫌そうな顔をして私を見下ろしてた
「行くぞ」
不機嫌そうな事を隠そうとしない相澤さんに短く言われて 「はーい」 って小さく答えて立ちあがる
少しふらついたけど歩くのは問題ないと思う…
いつもよりゆっくりとしたペースで歩いて行く相澤さんの後ろを少しふらつきながら付いて行く
ふらついているのが気付かれないように頑張るけど 無駄な努力で
熱が出た子供みたいに左右に揺れながら歩く私を 振り返った相澤さんはため息を付いてみてから肩を貸してくれる
身長差があるから軽くぶら下がりながら歩く私を生徒たちの好機に満ちた視線が刺さる
今は気にしたら負けだと思う…
相澤さんに支えてもらって職員室に付いたら相当顔色が悪くなってたのかこっちを見てきた先生方に心配されて申し訳なく思ってしまう
校長から直接 「帰るように」 と言われたら素直に従うしかなくって
簡単に荷物を纏めたら相澤さんが車の鍵を私に見せながら 「送る」 って言ってくれる
「相澤さん 職場体験のアンケート纏めたりで大変ですよね？
私、近くに引っ越しましたし一人で帰れますよ？ 大丈夫です」
申し訳なくてお断りしたのに私の言葉は聞かずに職員室から出て行こうとする相澤さん…
扉を開けたて振り返ったら 「早くしろ」 って言わんばかりに 視線を投げかけてくる
睡に助けを求めようと視線を向けるけど、笑顔で親指を立てるだけで助けてくれるつもりはないらしい…
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作者名：さくや | 作成日時：2021年8月24日 7時
