再会、そして動き出す 3 (ページ10)

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『俺はAが好きだ』

聞きたくな…

え…？

自分の耳を疑った。

パッと顔を上げると、翔はまっすぐな瞳で私を見ていた。

『Aと再会した時から意識してたんだと思う。けど俺は、幼なじみとしての特別な感情だ、って思ってて…いや、無意識のうちに思い込ませてた』

な、に言ってんの…？

頭が真っ白で、思考が追いつかない。

『そのことに遥香が気づかせてくれた。Aのことをどう思ってるのか、あいつのおかげでちゃんと考えることができたんだ』

遥香さんが…？

遥香さんのおかげ…？

ちょっと、待って…

『それで俺は』

「待っ、て…」

『…え？』

「…遥香、さんは、彼女でしょ…？」

そう言ったら、辛そうな表情を見せた。

『…遥香とは、別れた』

「えっ…」

『遥香にちゃんと話して別れた。だから今こうしてAと向き合えてる』

足が震える。

『今までほんとごめん、でもだから、これからは』

「やめてっ！」

叫んだ私にビクッとして、翔が話すのを止めた。