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「…どういう、こと？」
少しの沈黙のあと、やっと出た言葉がそれだった。
翔が、はぁ、と苦しそうにため息をついた。
『この前、大学内でたまたま会ったんだ。その時いろいろ話して』
『Aに幸せになってほしい。だから、ちゃんとどっちかを選んでもらおうって』
「っ、なにそれ…」
この前っていつ？
いつそんな話したの？
昨日？一昨日？それより前？
二宮くんはそんな素振り全く見せなかったよ。
いつもと変わらず笑ってたのに。
「なんで…？なんでそんな…」
『Aの気持ちが分からないから。Aにとっても、二宮くんにとっても、俺にとっても。はっきりさせるべきだろ？』
私の、気持ち…？
「っ、私はっ…」
そこで止まった。
翔に止められたわけじゃない。
ただ続く言葉が出てこなかった。
『言い返せないってことは、何かしらの葛藤があるってことじゃねぇの？』
「っ、」
翔の言葉は的を射たかのように、私の胸にグサッと刺さった。
苦しくて、眼にこみ上げる涙をぐっと堪えるしかできない。
『ごめん…困らせたいわけじゃないんだ』
今にも泣きそうな私に気づいたのか、少し焦った口調になる翔。
『…二宮くんがそのことに気づいて、俺に提案してくれたんだよ』
二宮くんが…
『海の日、18時。屋台通りの入口で』
『待ってる』
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作者名：さくらこ | 作成日時：2016年9月19日 21時
