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少しだけ身だしなみを整えてから階段を降りていく。
深呼吸してから、ゆっくり玄関のドアを開けた。
『あ、』
「、待たせてごめんね」
『や、こっちこそ、急に来てごめん』
気まずい。
「用ってなに？」
早く話を終わらせて、この空気から逃げたい一心でそう言ったんだけど。
『あ、うん。
…こないだ言った俺の気持ち、あれまじだから』
心臓がドクッと鳴った。
いきなりきた。
予想してたけど、それでも僅かながらに反応してしまった。
『Aのことが好き』
「っ、…だからっ、前も言ったけど」
『待って』
言い返そうとした私の言葉を翔の声が遮った。
「…なに、」
震えそうになるのを抑えたら、自分のものとは思えないような声が出た。
翔に動揺してるのを悟られてしまったかなと、恐る恐る顔を伺うと、口をむーってしてる翔と目がバッチリ合ってしまった。
心拍数が一気に加速する。
慌てて目線を逸らした。
『あのさぁ、』
「っ、うん、」
『嵐川の花火大会、懐かしいよなぁ』
「…へ？」
嵐川の花火大会？
『昔、毎年一緒に行ってたじゃん』
「あー…うん…」
確かに行ってた。
けどなに。
昔話で私の気を引くつもり？
そんなの意味ないんだから。
ぐっと唇を噛み締める。
『久々にさ…一緒に行かね？』
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作者名：さくらこ | 作成日時：2016年9月19日 21時
