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和「奢ってくれてありがと」
「いいえ〜」
お会計をして店を出る。
お店の人が、「あれ？男の子は払わないの？」みたいな顔してたけど、そんなの気にせず私が払った。
和「あ〜俺幸せだな〜」
「え？」
和「今までで一番幸せな誕生日になった」
「それはないでしょ笑」
和「いやあるよ」
もう誕生日終わり、みたいな雰囲気出してるけど。
まだプレゼント渡してないよ。
プレゼントって言えるようなものじゃないけど、でもせっかく用意したんだから渡さなきゃ。
駅はすぐそこに見えてる。
駅に着いちゃったら、明るさとか周りの人を気にして渡せない。
ここならまだ夜の暗さに紛れて渡せる。
今…今しかない…
「に、二宮くん…！」
和「ん？」
「あの、これ…っ」
カバンの中から取り出して、二宮くんにサッと差し出す。
和「え…？」
「誕プレ、です…っ」
差し出したのは手作りのブラウニー。
何がいいか一生懸命考えたけど、男子にプレゼントなんてあげたことないから全然分からなくて。
思いついたのが手作りのお菓子。
ブラウニーなら誕生日ケーキみたいでいいかなって思った、んだけど…
私の手の中のラッピングされた袋をじっと見つめたままの二宮くん。
透明だから中身は確実に見えてる。
あ、れ…
もしかして、甘いの嫌い、とか…？
「っ、あ、あの、ごめんっ、こんなのいらないかっ」
慌てて手を引っ込めようとしたら、ぐっと掴まれて。
「え…」
和「…幸せすぎるだろ、」
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作者名：さくらこ | 作成日時：2016年9月19日 21時
