再会、そして動き出す 3 (ページ26)

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97 Ninomiya side ページ26

『えっ、』

櫻井くんが動揺した声を出した。

ちょっと嫌みな言い方しちゃったかなと思う一方、櫻井くんの反応に胸がざわつく。

和「…普通に元気ですよ」

『、あ、そう、ですか』

ほんとに聞きたかったのは、元気かどうか、ってことなの？

和「…あの、」

『Aのこと。よろしくお願いします』

和「…は？」

『あいつ、何でも1人で抱え込む癖あるんで…ちゃんと見てやってください』

…あんたなに？だれ？

「俺は彼女いるし付き合えないけど、一応幼なじみだし心配だからよろしくな」ってこと？

気になってるっぽいのもそういうことかよ。

恐縮してるのかと思いきや、上から目線ですか。

和「ふざけんな…」

『、え？』

和「それどういう気持ちで言ってんの」

『…』

和「山本の気持ち知ってるくせに、よくそんなこと言えんなっ！」

怒りを抑えられず、らしくない大声が出てしまった。

そんな俺に対して、ただ、はぁと息を吐く櫻井くん。

言い返さないのかよ…

沈黙が気まずくて、何か言おうとした時。

『知ってるから、言ったんです』

櫻井くんの声が中庭に響いた。

「…どういうことですか、」

『この前言われたんです。もう俺のこと好きじゃない、って』

え？

『Aには二宮くんがいる。だから、せめてもの思いのつもりで言ったんです』