45 Ninomiya side ＊9/1 ページ10
和「俺、何やってんだろ…」
家に帰ってそのままベッドに倒れこむ。
バイトがあるなんて嘘。
カフェで山本を見つけて、
最近あんまり話してなかったし二人で話したい、くらいの気持ちで言った口実。
友達なんだから、そんな嘘つかなくたって話せるはずなのに。
誰かさんのせいで、山本を“友達”よりも“好きな人”として意識しちゃってたからなんだと思う。
その誰かさんってのは、言うまでもなく櫻井くんのことなんだけど。
食堂で二人を見つけた時、頭をガンッて殴られたような衝撃を受けた。
俺は山本のことをずっと勘違いしてたんだ…
遡ること約1年半。高2の冬。
違うクラスだったし、山本のことはほとんど知らなくて、名前だけ聞いたことある程度だった。
そんな時、俺の友達の雅紀が山本の話をやたらしてくるようになった。
“5組の山本さんって知ってる？ちょーかわいい子！”
“この前、おはよう！って言ったらおはようって返してくれたの！”
“告っちゃおうかな〜！俺だったら、きっと一発OKだよね！”
「告白されたら付き合って飽きたら別れる」を繰り返してた俺にはそこまで興味もない話で。
でもまぁ実際雅紀はモテるから一発OKもあながち間違いじゃないし、次の彼女はその子か、って思ってた。
なのに。
雅「ニノ、俺死ぬのかなぁ…」
和「いきなり何言ってんの」
朝っぱらから物騒なこと言うから頭をぶっ叩いたのに、痛がりもせず、むしろうなだれる雅紀。
いつも元気な奴だから、さすがにヒビった。
和「なにどしたの」
雅「…フラれた」
和「は？」
雅「山本さんにフラれちゃったよっ」
驚いたよね。
返す言葉もなくて、黙ってたら雅紀がこう言った。
雅「やっぱりあの噂はほんとだったんだ」
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作者名：さくらこ | 作成日時：2016年8月26日 20時
