今日:18 hit、昨日:0 hit、合計:59,981 hit
小｜中｜大
44 ＊8/31 ページ9
二宮くんがいなくなってから何分経ったんだろう。
いつの間にか日は落ちて、サークルもとっくに始まってる時間で。
でもなかなか動けなくて。
「…もう帰ろう」
やっとのことでベンチから立ち上がった。
公園を出て駅までの道をとぼとぼ歩く。
“俺、山本のことが好きだよ”
さっきの二宮くんの言葉が頭の中で繰り返される。
全然気づかなかった。
まさか二宮くんが私を、なんて考えたこともなかった。
告白されたことは何度もあるけど、こんなに動揺してるのは初めて。
今まではなんとなく告白されそうな前兆があったから、驚くこともなく、ごめんねって答えてた。
でも二宮くんは違う。
そういう雰囲気がなかったから親しくなったんだし、ずっと友達だと思ってきた。
なのにいきなり…
“去年からずっと好きだった”
去年って例えばいつ？
分かんない。
考えても疑問が浮かぶだけ。
答えが出てからでいい、って、答えが出る時はちゃんと来るの？
今は、ぶつけどころのない翔への気持ちで胸がいっぱいで、この気持ちがなくなるなんて考えられないし。
でも、二宮くんがいい人だってことは十分分かってるし、ずっと仲良くしていきたいって思ってたから、返事をおざなりにすることなんてできない。
どうすればいいの…
45 Ninomiya side ＊9/1→←43 ＊8/30
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 73人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくらこ | 作成日時：2016年8月26日 20時
