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少しの間(私にはだいぶ長く感じたけど)抱きしめられたままの後、
二宮くんはゆっくり私から体を離した。
和「ごめん、いきなり」
「あ、いや…大丈夫…」
とりあえず離れたことに、ホッと一安心。
したのも束の間。
和「俺、山本のことが好きだよ」
私の耳は二宮くんの信じられない言葉を捉えた。
「、え？」
和「去年からずっと好きだった」
「っ、」
和「まさかこんな状況で伝えることになるなんて思ってもなかったけど、山本の話聞いてたら我慢できなくなって…ごめん」
「あ…いや、」
和「でも、本気だから。本気で好きだから」
私を見つめる目が真剣で。
でも、突然すぎて言葉も出ない。
和「…俺じゃだめかな」
「っ、えっと…」
どうしよう、何か言わなきゃ。
でも何て言えば…
私がパニックになってると、二宮くんがふっと息をついた。
「っ、あ、あの、」
和「いいよ」
「え…」
和「急に言われても困るよね。…だから、返事は今じゃなくていいから。山本の答えが出てからでいい」
「二宮くん…」
さっきからまともに喋れてない私に優しく笑いかけてくれて。
和「じゃ、俺、バイトあるからもう行くわ」
「え、」
和「またね」
「あ、うん」
ひらひらと手を振る二宮くんに反射で手を振り返し、
公園を出て行く二宮くんの後ろ姿を呆然と見つめた。
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作者名：さくらこ | 作成日時：2016年8月26日 20時
