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“櫻井くんのこと好きなの？”
二宮くんは確かにそう言った。
おずおずと横を見たら、二宮くんと目が合った。
私のことを見透かしたような目。
二宮くんの普段と違う雰囲気に、胸がざわつく。
「えっと…」
和「好きなんでしょ？」
「っ、え、」
なに。
なんで私こんな質問されてるの。
私、翔のこと喋ったけど、好きとか一言も言ってないよね？
和「まぁ答えたくないなら別にいいけど。もう分かってるし」
「わ、分かってる？」
和「山本が櫻井くんのこと好きだってこと」
「っ、」
まるで確信してるような言い方。
「…な、なんで、分かるの？」
和「…食堂で会った時、櫻井くんを見る目がいつもと違った。好きな人を見るような目してた」
「え、」
和「今の話だって、好きな人じゃなかったら彼女がいたって楽しくなくなるほどムカつきはしないでしょ」
「っ、」
和「ていうか、ムカついたっていうより傷ついたって感じかな？」
ズバズバ指摘されて、その勢いに思わずたじろぐ。
二宮くん、結構鋭いとこあるのは分かってたけど、ここまでだっけ…
「二宮くん、さすがだね」
和「え？」
「私、そんなにバレバレだった？」
和「…やっぱり、そうなんだ」
はぁとため息をつく二宮くん。
私もはぁ、って感じだよ。
翔には、『好きな人でもいんの？』って聞かれちゃったからね。
翔にも二宮くんくらいの鋭さがあったらよかったのに。
もうこの際、気づいてほしかったよ。
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作者名：さくらこ | 作成日時：2016年8月26日 20時
