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「あ、そういえば、二宮くんにお土産あげてなかったよね」
和「お土産？」
「うん、ゴールデンウイークに旅行行ったの」
カバンの中からお菓子の箱を取り出して、二宮くんに差し出す。
「一つどうぞ」
和「おぉ、ありがと」
「いいえー」
和「旅行、どこ行ったの？」
「箱根だよ」
和「へぇ、家族で？」
「うーんと、家族と、あと幼なじみの家族も一緒に」
和「幼なじみ…あ、この前食堂で会った、」
「あーそうそう」
和「櫻井くんだっけ」
「そう、よく覚えてるね〜」
和「あーまぁね」
あんなちょっとだったのに、名前まで覚えてるなんてすごいなぁ。
記憶力いい。
あ、二宮くん、確か暗記とか得意だもんな。
和「…楽しかった？」
「え、あーうん、まぁ」
和「なにその微妙な返事。笑 楽しくなかったの？」
「いや、楽しかった、けど…」
和「けど？」
失恋、したし。
なんて、二宮くんには言えない。
でも、誰かに聞いてほしい気分。
「翔が…」
和「うん」
「っ、翔のやつ、彼女いるってこと教えてくれてなくて、お土産買う時に初めて知って、彼女へのお土産一緒に選ばされて！なんかリア充見せつけられたからムカついちゃって」
和「…」
何も言わない二宮くん。
しまった。
つい、ぶわーっと喋ってしまったけど、こんなこと聞かされても返事のしようがないよね。
「あっあの、ごめん、変なこと言っちゃって」
和「…」
「…えと、気にしないで、あの」
和「櫻井くんのこと好きなの？」
「…え？」
一瞬、空気が止まったように感じた。
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作者名：さくらこ | 作成日時：2016年8月26日 20時
