再会、そして動き出す 2 (ページ36)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:59,968 hit

71 ページ36

「…二宮くんの洋服濡れちゃった」

和「いいよ、これくらい笑」

やっと落ち着いたところで離れたら、色が変わっちゃうくらい濡れてて。

慌ててハンカチを渡したら、「自分の顔拭きな」って返された。

そうだ、私、今きっとひどい顔してる。

そう思ったら、恥ずかしくなってハンカチで顔を覆った。

和「友達としてのこの1年間は無駄じゃなかったんだ…」

二宮くんがボソッと呟いた言葉に、ハンカチから顔を上げる。

和「山本の心の中に、少なからず俺は存在していたんだよね」

「っ、もちろんっ」

それが友達としてだったとしても、ちゃんと大きな存在になってたんだよ。

だからこんなに答えに悩んだんだもん。

和「俺と付き合ってよかったって山本に思ってもらえるように頑張るよ。櫻井くんのことなんかすぐに吹っ切らせてあげる」

「っ、うん」

和「だから…もう一度ちゃんと言わせて」

二宮くんが姿勢を正したから、私もピシッとして。

和「俺と、付き合ってください」

「はい…っ、よろしくお願いします」

和「よっしゃ…！ちょー嬉し…」

ガッツポーズして、はぁ、ってベンチにもたれかかった二宮くんを見たら。

幸せな恋の始まりが見えた気がした。